キャリア(副業/転職/独立)

「複業」の種類と始め方 | 複業で低リスクに自分の可能性を広げる方法

近年話題の「複業(≒ パラレルキャリア、スラッシュワーカー、ポートフォリオワーカー)」とは、複数の仕事に本業・副業という序列をつけず、並行して取り組む働き方です。取り組む内容は収入が伴う仕事だけとは限らず、NPO活動や学術的な研究、創作活動なども含まれます。

収入を伴わない活動も含まれることからわかる通り、複業の目的は単に「収入を増やすこと」ではありません。「自分の市場価値を高めて可能性を広げること」「やりがいのあることに取り組むこと」、そして「自分らしい働き方を実現すること」など、複業は自分を高め、未来の収入を増やし、理想の自分に近づくためにやるものなのです!

ただし、いざ「自分も複業してみよう!」と思っても、何から始めれば良いのか迷ってしまうものです。従来の「副業」なら、給料面や勤務地、労働時間などの条件が自分に合った求人を探して応募するだけでスタートできました。しかし複業はそうはいきません。

「自分らしい働き方」を目指す複業を実現するためには、自分の内面や社会のニーズとよく向き合い、自分だけの戦略を立てるところから始めなければならないのです!

目次
  1. 複数の本業を持つ働き方「複業」とは? 実践者の事例から学ぶ複業の種類・パターン
  2. 「明確にやりたいことがある人」以外は【会社員】×【フリーランス】から始めるのがおすすめ!
  3. 複業実践者がおすすめする複業の始め方 | 5ステップで複業を始める方法
  4. これは要注意!失敗しない複業スタートのポイント
  5. 【まとめ】スモールステップから複業を始めて、自分らしい働き方を手に入れよう!

複数の本業を持つ働き方「複業」とは? 実践者の事例から学ぶ複業の種類・パターン

前述の通り、複業とは複数の仕事にメイン・サブといった序列をつけずに並行して取り組む働き方です。言い換えるなら、いくつもの本業を持つような働き方です。

具体例として、テレビ朝日の「news zero」などに出演する落合陽一さんがわかりやすいですね! 落合さんはメディアアーティスト、筑波大学准教授、会社経営者、作家、写真家、タレントなど業界を超えてさまざまな分野で活躍しています。

このように、「どれが本業なのかわからない」ような働き方こそが複業だと言えます。もう少し詳しくみてみると、複業実践者は4つのパターンに分類できることがわかります。

【パターン①】「会社員」×「会社員」

1つ目は、複業OKの会社どうしを掛け持ちしてどちらでも正社員として働くパターンです。実現がなかなか難しいですが、会社や組織の力を借りて多くのキャリアを積むことができ、収入面も安定します

パターン①のわかりやすい例を挙げるとすれば、サイボウズの社長室長兼プロデューサーを務める中村龍太さんがぴったりですね。

中村さんは、日本電気、マイクロソフトといった大手の会社で経験を積んだあと、40代でサイドビジネスを開始し、複業・転職を実現しています。

現在は、サイボウズの社長室兼プロデューサー、コラボワーク代表、自営農家のポートフォリオワーカーなので「正社員」×「正社員」ではありませんが、転職当初はサイボウズ株式会社とNKアグリ株式会社を掛け持ちする働き方を実践されていました。

このように、複業を実践しているうちに自身のキャリアがどんどん変化していき、自分らしい働き方に変わっていくのも複業の魅力です。

【パターン②】「会社員」×「個人事業主・フリーランス」

2つ目は、会社員として企業に勤めながら、個人事業主(フリーランス)としても働くパターンです。会社勤めで安定した収入を得つつ複業として自分のビジネスを立ち上げたり、フリーランスとして「業務委託型」の仕事をしたりします。本業のスキルを使ってすぐに稼ぎ始めることもできますので、もっともオーソドックスで実践しやすいパターンといえます。

メモ】
なお、「個人事業主」と「フリーランス」は法律や税制などのうえでは同じものですが、農業や店舗運営などといった「実業」をしている場合は個人事業主、Webデザイナーやプログラマーなどといった在宅の仕事をしている場合はフリーランスと呼ばれることが多いです。

パターン②の例としては、株式会社ハピキラFACTORYの代表取締役を努める正能茉優(しょうのう まゆ)さんが挙げられます。

正能さんは、慶応義塾大学在学中に、地方の名産品をかわいくプロデュースして発信・販売するハピキラFACTORYを創業。卒業後はソニーで正社員として働きながら、自社の経営もされています。

現在は自分のやりたいことを実現するためソニーからパーソルキャリアへの転職を果たし、さらに慶応義塾大学大学院の特任助教としての活動も加わって、「パラレルキャリア女子」として複業の働き方を実践されています。

パターン③【個人事業主・フリーランス】×【個人事業主・フリーランス】

3つめは、自分のビジネスを複数立ち上げたり、自分のビジネスをやる傍ら空いた時間を使って業務委託の仕事を請け負ったりと、複数の分野で個人事業主やフリーランスとして働くパターンです。

ぼく自身もこのパターンの例として挙げられます。ぼくは東京・新宿で髪質改善を専門とする美容室「IDEAL高田馬場(アイディール)」のオーナー兼スタイリストとして働く一方で、そこで得たヘアケアや髪質改善の情報を専門的に発信しています。

また、美容室オーナーをはじめとする店舗経営者向けのオンラインサロンやコンサルティングもやっていますし、このサイトではもっと幅広いビジネスパーソンへ向けた情報発信をしています。

美容室で学んだヘアケアや経営の知識が複業である情報発信やコンサルティングに活き、複業による情報発信を見た人が美容室に来店してくれる。このように、本業と複業の相乗効果で好循環を生み出すような働き方を実践しています。

パターン④【会社員・個人事業主・フリーランス】×【非営利活動】

4つ目は、仕事だけが複業ではないと考えた人たちが、NPO活動やボランティア活動、プロボノ(=専門知識や技術を活かした社会貢献活動)などをするパターンです。非営利の活動ですが自身のキャリアになりますし、活動を通して人脈も広がります。また、大きなやりがいも感じられる働き方でもあります

このように、非営利活動を利用したパラレルキャリアを実践する人が増えている中で、それを支援してくれる組織も登場しています。たとえばNPO法人「二枚目の名刺」では、自分のスキルや経験を活かし、組織や立場を超えて社会のこれからを創りたいという想いを持った人たちをサポートする活動を行っています。

働き方が多様化するなかで、このように複業に取り組む目的や理由、手段も様々です。自身のスキルや経験だけでなく興味、関心、やりがい、社会的役割なども踏まえて職業や働き方を考えていくことで、自分らしくイキイキと働くことに繋がっていきます。そしてそれは、将来的に自分のキャリアや人脈形成、そして収入にも大きく関わってくることなのです。

「明確にやりたいことがある人」以外は【会社員】×【フリーランス】から始めるのがおすすめ!

まだやりたいことが明確に決まってないけど、「本業以外でも稼げる手段を身につけたい」「まずは自分の興味や可能性を探っていきたい」などという想いがあるという人なら、まずはパターン②で紹介した【会社員】×【フリーランス】がおすすめです。

この働き方はもっとも取り組みやすいですし、安定した収入の基盤を持ちながらもやりたいことにチャレンジできるという大きなメリットがあります。

オンライン複業(オンライン副業)が特におすすめ!

その中でも特に、「業務委託契約」 でフリーランスのWebライターやWebデザイナー、イラストレーター、プログラマーなどの「オンライン複業」がもっともおすすめです!

近年では仕事を頼みたい企業と仕事を受注したいフリーランスを繋いでくれる「ランサーズ」などの「クラウドソーシングサービス」も普及しているうえ、コロナ禍で需要も拡大しています。

「オンライン複業」なら時間や場所を選ばずに取り組むことができるので複業として取り組みやすく、スキルや実績がつくにつれて収入も向上していくのが大きなメリットです。持っているスキルや経験を活かしやすく、逆に新たなスキル・実績を身につけるためにも有効です。

複業実践者がおすすめする複業の始め方 | 5ステップで複業を始める方法

ここまで読んで、「複業」に興味を持ち、少しでも「始めてみたい」と思ったあなたへ、複業を始める方法を5つのステップでお伝えしていきます

複業を実践するなかでぼくが感じた「複業成功のポイント」を踏まえて、「あなた個人としての市場価値」を高めていける複業を手にして、自分らしく主体的に生きる方法を解説いたします。

【ステップ①】「why = 複業の目的」を明確にする

複業を始めるうえでもっとも大切なのは、最初に「why(=目的、理由)」を設定することです。つまり、「複業をする目的を明確にする」ということですね。なぜ複業をしたいのか、複業をした先にどんな生き方をしたいのか、それをまず明確にしましょう。

ゴールを定めなければ、目的地に辿り着くことはできません。また、設定したゴールによって選ぶべき仕事の種類やとるべき戦略も変わります。

まずは自分にとって理想の働き方、憧れるライフスタイルを思い描き、そこから「why」を具体化・明確化してみましょう。

【ステップ②】自分の強み・スキル・経験の棚卸しをする

複業をする目的が明確になったら、次は自分は何が得意なのか、どんなスキルを持っているのか、これまでどんな経験をしてきたのかといったことを整理してみましょう。なぜなら、現在の自分の市場価値を知ることで、正しく戦略を立てることができるからです。

具体的には、自分が持っているスキルや資格、会社で普段やっていることや自分のポジション、これまでに関わったプロジェクトなどをノートに書き出してみましょう。仕事に直接関わることだけじゃなくても構いません。「誰にでも好かれやすい」とか「本を毎日読んでいる」とか「ピアノが好きだし人より得意」といったことでも良いでしょう。

自分が持っている「人との違い」はなんでも強みとなり得るものです。自分の強みとなる武器を探してみましょう。

【ステップ③】自分の「will = やりたいこと」と「can = できること」を整理する

次は、ステップ②をもとにして自分の「can(=できること、得意なこと)」と「will(=やりたいこと)」を整理してみましょう。今の自分には何ができるのか。何が得意なのか。そして、どんなことに興味を持っているのか。紙やメモアプリなどに書き出して、思考を整理します。

具体的には、まずひとりの時間を作って、ノートとペンを用意しましょう。そして自分自身に質問を投げかけ、ノートに書きだしていきます。以下のような質問を自分に投げかけてみましょう。

  • 自分が得意だと思うこと
  • 人から褒められること
  • これまで長く続けて苦にならなかったこと(長く続けられたこと)
  • もっとも時間とお金を投資して取り組んできたこと

コツとしては、じっくり考えるのではなくできるだけ早く、直感で答えることがポイントです。素早く答えることで普段意識していなかった自分の長所や内面の気持ちに目を向けることができるはずです。

そして、canとwillが重なる分野があれば、それが自分の取り組むべき分野、複業するべきフィールドの第一候補です。もし重なる部分がない場合は、canをベースに複業を始めてみましょう。そこからできることの幅を広げていき、willと重ねていくのがおすすめです。

なお、canもwillも思いつかない場合、まずは興味があるものからやってみて、続けられそうなものを伸ばしていくのが良いでしょう。

【ステップ④】市場のニーズなども踏まえてチャレンジする複業を決める

ステップ③までは、自分自身に焦点を当てて複業について考えてきましたが、このステップでは社会(市場)に目を向けます。つまりは、「社会のニーズ」や「ライバル」といった視点を加えて、自分が戦うべきフィールドを決めていきます

どんなに自分が得意で、しかもやりたいと思えることが見つかったとしても、世の中にまったく需要がないことであれば仕事として成り立ちません。また、いまの時代、需要があるところには必ずといっていいほどライバルが多く存在しています。

そこで、自分の複業をどのようにライバルたちと「差別化」して「自分だけの価値」を作り出していくか。「スキルや経験の掛け算」で自分だけのブルーオーシャンを探していくことが大事です。

このようなことをより深く分析し、より良い戦略を立てるためにはマーケティングの知識が必要です。マーケティングを理解して戦略的に動くのと、「なんとなく」で暗雲に動くのとでは、複業を軌道に乗せられるかどうかの可能性が大きく違いますし、上手くいった場合も成長の速度に差が開きます。

複業を始める前に、マーケティングについて基本的な部分だけでも勉強しておくと良いでしょう。

【ステップ⑤】まずは「副業」レベルから始める

そして実際に複業を始める際ですが、最初は「副業」レベルからスタートすることをおすすめします。本業に重点を置いて安定した収入を得ながら、「お小遣い稼ぎ」くらいの規模感で興味のあることややりたいことにチャレンジするのです。

最初は副業レベルで始めても、それが自分に合っていれば徐々にスキルや実績がついてきて、気付いた頃には収入も増えて「複業」と呼べる状態になっているものです。この流れが理想なのです。

逆に、実際にやってみて「合っていない」「何か違う」と感じたときは、やめて別の副業を始めることもできます。副業レベルで良いのでとりあえず始めてみることは、「やりたいこと探し」や「適正チェック」に最適なのです。

これは要注意!失敗しない複業スタートのポイント

最後に、いざ複業を始める前に知っておきたい、複業で失敗しないための5つのポイントをお伝えしていきます。

「サラリーマンが避けた方がよい副業」などにも触れていますので、複業の内容を考えるときは、前章の内容と合わせてチェックしておきましょう。

【ポイント①】絶対に本業は疎かにしない

1つ目は当然のことですが、複業をするからには絶対に本業を疎かにしてはいけません。本業による安定的な収入の基盤があるからこそ、新たなチャレンジややりたいこと探しを低リスクにできるわけですので、その基盤を失ってしまっては本末転倒です。

複業に熱中しすぎて睡眠不足になったり、複業が気に掛かって本業に集中できなくなってしまったりすれば、本業にも支障が出てしまいます。会社や上司からの信頼や実績を失ってしまうおそれもありますので、本業に影響を出さないことだけは徹底しましょう。

【ポイント②】大きなリスクを取らない

2つ目に、大きなリスクを伴うことは避けましょう。例えば、初期投資として身の丈に合わない高額なセミナーを受けたり、多大な在庫を抱えるなどです。

また、複業選びとして仮想通貨、投資信託、FX、株式投資などの「投資」はあまりおすすめしません。なぜなら、投資は元手(投資資金)によって得られる利益が大きく左右されるため、十分な元手資金と安定的な収入がないと稼げないからです。

そもそも、「低リスクにやりたいこと探しやキャリアアップができる」のが複業の魅力です。

  • 借金不要である
  • 在庫を抱えなくていい
  • 金融投資は避ける
  • 低資本で始めることができるものを選ぶ

という4つのポイントを踏まえ、リスクを検証することをおすすめします。

【ポイント③】すぐに稼ごうとしない

3つ目は「お金」より「スキル・経験」に目を向けることです。副業を始めたころは、必ず稼げない時期や伸び悩む時期がくるものです。そんなときのために、あらかじめ「お金ではなくスキルや経験を稼いでいる」という考え方を持っておきましょう。

序盤は焦らずに試行錯誤を繰り返していけば、そこで得られたスキルや経験、心構えなどがその先で大きく稼ぐことに必ず役立ちます

【ポイント④】無理なくできることを見つける

4つ目は、「無理なくできる複業」を継続することです。複業には「本業のような強制力」がない場合が多いので、複業に取り組むことが面倒に感じてしまう日もあります。

ある程度やってみると、「これは嫌いだな」「これならとりあえず続けられそう」といった感じで、適性を判断できるようになります。適切チェックのポイントは「無理なく続けられるかな・・・・・・」です

実際のところ、未経験から何か複業(副業)を始める場合、最初から「これめっちゃ楽しい!!」となることは滅多にないものです。続けていって、スキルや収入がついてくるうちにだんだん楽しくなってくるものですので、そこまで到達できるような、無理なく続けられる複業を探してみましょう。

【ポイント⑤】SNSを活用して仲間と出会う

複業では「人脈」も大切です。人脈が増えてくると良い仕事を紹介して貰えたり、自分のやりたいことに共感してくれる仲間が見つかったりすることもあるからです。

人脈を増やすには、SNSでの情報発信がとても有効です。SNSを使って自分自身の考えや価値観、仕事や副業について情報発信していくと、同じような境遇にいる仲間や似た価値観を持つユーザーと繋がることができます。仲間ができるとモチベーションの向上に繋がりますし、さらには業界の先輩方から有益な情報が得られる機会も増えるのです。

さらにはSNSアカウントが育っていけば、オンライン上で「名刺代わり」のような役割も果たしてくれます。SNSを通じて仕事の依頼がくることも珍しくはありませんので、SNSは積極的に活用するようにしましょう。

【まとめ】スモールステップから複業を始めて、自分らしい働き方を手に入れよう!

複数の仕事に本業・副業という序列をつけず、並行して取り組む働き方「複業」は、一般的な「副業」とは違ってお金ではなく自分を高め、理想の自分に近づくためにやるものです。しかしながら、複業を通してスキルや実績、人脈などといった自分の「市場価値」を高めていけば、結果的には副業以上に稼げるようにもなるのです。

複業を始めるには、「自分自身のこと」と「市場のニーズや競合性」を見極めることがまず肝心です。解説した5つのステップをもう一度まとめておきます。

  1. 複業をする「why(=理由、目的)」を明確にする
  2. 自分の強み・スキル・経験の棚卸しをする
  3. 自分の「will(=やりたいこと)」と「can(=できること、得意なこと)」を整理する
  4. 市場のニーズなども踏まえてチャレンジする複業を決める
  5. まずは「副業」レベルから始める

これからの「個の時代」、企業や国に依存せず、個人で稼ぐ力を身につけることの重要性はますます高まっていきます。そんな時代の中で活躍し、イキイキと自分らしい生き方・働き方を実現するため、ぜひ複業を実践してみましょう!

ABOUT ME
SIN
サロン経営を猛烈な赤字でスタート。マーケティングを駆使しながら圧倒的な黒字化の仕組みを構築。サロン経営者にコンテンツセールスやコンサルをスタート。3年で複業月収8桁を達成。600名以上が登録する無料オンラインサロン(MAKE TIME)や、”ロイヤル顧客リピートで満席の仕組み”を構築できる完結型コンテンツを無料で提供。コンサルタントとして50件以上のサリンを年商800万~3000万以上UPさせた実績を持つ。現在では、サロン経営の仕組み化や、複業のサポートコンサルを継続中。

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