近年注目を集めている「複業(≒ パラレルキャリア、スラッシュワーク)」とは、「お金を得ること」を目的とする「副業」とはまったく異なる新しい働き方です。その目的は「スキルを向上させる」「経験・キャリアを積む」などさまざまで、自身の成長や自己実現を通して「自分らしく生きる手段」と捉えることができます。
始める動機や目的、内容が「副業」とまったく異なる複業。その最大のメリットは「自分らしい生き方が手に入ること」です。複業なら、本業とは違って興味のあることややりたいことを低リスクに始めることができます。複業で自身の経験や実績を積みつつ、スキルや人脈を増やすことで自分の可能性が広がっていき、収入が増えていくとともにやりがい・生き甲斐にも繋がっていきます。このように、複業という働き方は自分の人生に好循環をつくれるのです!
実際、ぼく自身も東京・高田馬場で髪質改善を専門とする美容室「IDEAL」を経営する美容師ですが、同時にこのような情報発信をしたり、オンラインサロンの運営やコンサル業をしたりなど、「複業」を実践しています。もともとは雇われの美容師で、その後も美容室経営一本でしたが、お店のブログで情報発信を本格的に始めたことをキッカケにさまざまな複業を始め、いまでは本業と複業がシナジーを生んでいます。
ぼくの場合は「実店舗経営」×「情報発信」がスタートでしたが、人によって複業の形も始め方もさまざまです。そこで今回は、実際に複業を実践しているビジネスパーソンたちの実践事例や、社員の複業を認めている有名企業の制度などをご紹介しましょう。
最大手美容室チェーンで売上.指名共に1位を獲得し独立するものの猛烈な赤字でスタート。マーケティングを学び駆使した後、圧倒的な黒字化の仕組みを構築。サロン経営者にコンテンツセールスやコンサルをスタート。3年で複業月収8桁を達成。600名以上が登録する無料オンラインサロン(MAKE TIME)や、”ロイヤル顧客リピートで満席の仕組み”を構築できる実践型のオンラインサロンを運営。コンサルタントとして50件以上のサロンを年商800万~3000万以上UPさせた実績を持つ。現在ではサロンのロイヤルリピート経営の仕組み化や、複業のサポートコンサルを継続中。
「複業採用」を実践するIT企業「サイボウズ」の取り組みや複業 実践例
2017年1月17日、サイボウズが「複業採用」を発表し、多くの反響がありました。新しい働き方に対する共感もあれば、「本当に複業採用なんてできるの?」という声もあったといいます。
そんなサイボウズの複業採用について、社長の青野慶久さんは「2つの会社で同時に働く」をもう少し広げたものだと話します。家事や育児など、会社で働く以外のことも立派な「仕事」と捉え、広い意味で全ての人が複業をしている。そんな青野社長の考えが前提にあっての「複業採用」なのです。
また、同記事では、青野社長は「1人の人材を会社でフルに囲う必要はない」とも述べています。雇用形態や勤務日数、働く時間に関係なく、サイボウズの理想に共感して、一緒に実現してくれる人や手伝ってくれる人が増えてほしい。各々がサイボウズにコミットする時間や貢献度は違っても、チームワークで補い合う。そんな青木社長の柔軟な考え方が、「複業採用」を可能にしているのです。
なお、サイボウズにおける複業のルールとしては、
- サイボウズやそのパートナー企業と競合してしまう複業は禁止
- サイボウズの社名や肩書きを使う場合は要申請
などがありますが、基本的にはそれぞれの意思や働き方を尊重して複業採用を実施しているそうです。
IT企業に農業!? サイボウズを含めた3つの会社で複業を実践する中村龍太さんの事例
サイボウズの社長室長兼プロデューサーを務める中村龍太さんは、40代でサイドビジネスを開始し、複業・転職を実現しています。現在は、サイボウズで働きながら、コラボワークス代表、自営農家のポートフォリオワーカーとして働いており、ご自身の経験を「生き方」や「人生の目的」と結び付け、新しい働き方として複業を発信しています。
複業で、畑に建てられるワクワクする全天候型の建築の実験に携わってみます。この建物を利用したい、施工したい、売りたい、建てみたい人など関心のある人を募集ちう!https://t.co/h4Qw4hEJUw
— 中村龍太 (@Ryuta_Nakamura_) July 2, 2019
『Workstyle Lab-POLARIS』にて公開された2018年のインタビュー記事の中で、中村さんが複業を始めた経緯が語られています。もともとマイクロソフト社で働いていた中村さんですが、縁があってサイボウズに誘っていただいたものの、オファー頂いた給与が半減で驚いたといいます。
しかしせっかくの機会を活かしたいとサイボウズへの転職を決意。お金の面は「副業OK」の制度を活かそうと考え、サイボウズへの転職と同時にダンクソフト社との掛け持ちを始めたといいます。言うならば、 はじめはお金のために「仕方なく」始めた複業だったのです。
さらにその後、複業サイボウズの顧客であったNKアグリという農業ベンチャーにも参画して、3社での複業を実践。兼業農家としても働くようになったと言います。
取材されました‼️https://t.co/yX32kGvF4o#自分らしく働く #チューニング #中村龍太 #複業生活 #働き方改革 #新型コロナウイルスの影響 #リモートワーク #生き方 #ライフスタイル #終身雇用 #サイボウズ #お金を稼ぐことは目的 #お金を稼ぐことは手段 #人体実験 #印西グリーンベース #ワクワク
— 中村龍太 (@Ryuta_Nakamura_) November 11, 2020
現在では千葉の自宅からサイボウズへ出社するスタイルを取り入れるも、自分で出勤時間を決められる社風とコロナ禍による影響から、リモートでの仕事が中心に。主にリモートでサイボウズの仕事に取り組みながら、畑作業に充てるといったスケジュールで活動しているそうです。
そんな中村さんは、ライフカルチャーマガジン『OHEYA GO Journey』でのインタビューでは、実際に複業に取り組む上で、実践を通してよりよいやり方を模索していくことが大切だと述べています。
それぞれの仕事やライフスタイルを定期的に見直し、生活全体のバランスはどうか、無理はないか、仕事の量や質はどうかとチェックする。厳しいところは改善して、常にバランスに気をつけること、時に手放す勇気を持つことが複業をするうえで大切なのです。
オウンドメディア「サイボウズ式」の編集長・藤村能光さんの複業実践例
オウンドメディア「サイボウズ式」の編集長を努める藤村能光さんは、今から15年ほど前、仕事仲間からの声かけを機に複業に対するご自身の思いと向き合い、思い切って複業を開始されました。現在は、サイボウズでの本業の他に、タオルメーカー「IKEUCHI ORGANIC」のメディア・コミュニティ運営をされています。
テレビ見てたらIKEUCHI ORGANICきたー! 僕のタオルはほぼイケウチ。うれしいなぁ pic.twitter.com/nJG4eBmTru
— ふじむら (@saicolobe) September 24, 2020
もともと、複業をしたいと考えていた藤村さん。その理由は、「会社で働くだけでは将来が心配」と考えたからだと言います。
“僕はこれまで会社員としての働き方を選んできましたが、これから先は「会社で働く」という軸のみでは、「将来的に不安定なるのではないか?」と考えたんです。
昔から安定志向なのはずっと変わらないのですが「同じ場所にいることこそが不安定なのではないか」と意識が変わってきたことが、複業を始めたきっかけですね。自分が安定するために軸を増やしたい、そのためにも今いる会社以外にも軸を求めてみたいと考えました。”
── 2018年「公私混同の複業」のリアル。どんな複業を、いつ、そしてなぜ行っているのか? 〜メディアと語る朝渋 サイボウズ式〜 | 朝渋TIMESより引用(※ 太字、マーカーは当サイトで編集)
また、藤村さんのnoteには、以下のようなことが書かれています。
“業務時間外は、複業に時間をあてています。複業は、会社の仕事ではできないことにチャレンジしたいなと思っています。”
── 藤村 能光の自己紹介・プロフィール | noteより引用
そんな藤村さんは、あるときひょんなことからIKEUCHGI ORGANICに声を掛けられて複業を実践することに。実際にやってみて、複業で得たことを本業に生かすことで、本業にフルコミットしている人たちへも良い印象を与えられていると話します。
このように、本業のほかに複業を持つことで、自身のチャレンジの場を増やしながら、本業と副業の相互作用を生み出しているのです!
久々の青山ブックセンター。未来のチームの作り方、働き方シフトともに平積みでうれしすぎる。となりには最軽量のマネジメント、テレワークの教科書など、サイボウズ本がたくさん。さすがです。 pic.twitter.com/7d9bTouWhi
— ふじむら (@saicolobe) April 4, 2021
これまでに経験してきた複業には、現在所属する会社とはちがう会社の部署でメディアを運営したり、チーム作りに携わったり、プロダクトを持つ会社でコミュニケーション活動全般に従事していたりすることもあるそうです。
そんな藤村さんは、Webメディア『MASHING UP』の対談記事の中で、複業の魅力を「会社を超えたところでの自分の市場価値を実感しやすくなる」ことだと語っています。
このように、複業とは自分の可能性を広げてくれる働き方なのです!
離職率は大幅に改善!複業採用を実践したサイボウズのメリット
そもそもですが、サイボウズが複業採用を始めた背景には、離職率の高さがあったと言います。というのも、サイボウズの2005年の離職率は28%と高く、どうにかその数字を下げる必要があったのです。
もともとのサイボウズの就業規則は、厚生労働省が作ったモデルに沿ってため、設立当初から「副業禁止」と書かれていました。そこで、時代の変化を捉えていち早く「副業解禁」「複業採用」を行ったことで注目を浴び、28%もあった離職率を4%にまで減らすことに成功したのです!
さらに、副業・複業に対してオープンな制度が評価され、複業としてサイボウズで働きたい人も、サイボウズにコミットしながらも複業をしたい人も増加し、次第に優秀な人材が集まり出します。
また、社員一人ひとりが本職・複業とそれぞれの顔を持つことから、仕事に対して自発的に行動できる社員が会社に増えたというメリットもあったそうです。結果的に、サイボウズは複業をオープンにしたことで社員の不満を解消しただけじゃなく、優秀な社員が集まり、育っていく土壌を形成できたのです。
9年間「専業禁止」を掲げる「エンファクトリー」の取り組みや複業実践事例
エンファクトリーは、「専業禁止」という変わったポリシーを掲げたことで一躍有名になった企業です。他社のマーケティングやブランディングの支援などを行い、その会社の商品・サービスに触れて貰い、新たな機会を生み出せるように支援を行っています。
エンファクトリーの代表取締役である加藤健太さんは、社内で「専業禁止」を掲げる理由について、メディアのインタビューにて次のように語っています。
“エンファクトリーが分社化した2011年は、リーマンショックの影響も続き、さらに東日本大震災が起きた年でもありました。平成になってから大企業も普通につぶれる時代になりましたが、それに輪をかけて不透明で先の読めない年だったのです。そして私が感じていたのは「特に大企業が内包している組織や個人の劣化」です。テクノロジーやインターネット上のサービスによりますます個人の出来ることが拡がってきているなかで、生きる力を身に付け、自立した個人が会社と対等な関係で共生する―これからはそんな会社が強くなるのではと考えるようになりました。こういう背景から“専業禁止”を掲げ、複業を推進して、一人一人の生きる力を身に付ける学びの場と捉えるようにしたんです。もちろん、必ず複業をやらなくてはいけないわけではありませんが、結果的に社員の質の向上と会社の成長にもつながっていると感じています。”
── 「相利共生、会社と社員がパートナーとなる時代へ」 9年間“専業禁止”を掲げるエンファクトリー代表取締役 加藤健太さん | SHARE WORK LIFEより引用(※ 太字、マーカーは当サイトで編集)
現在、社員の半数以上が別の働き口を持つエンファクトリーでは、本業と同じくらい本腰を入れて複業を行っている社員が多く、複業だけで月収数十万円を稼ぐ社員も多いそうです!
エンファクトリーの副社長でありながら多数の複業をこなす清水正樹さんの実践例
普通とは真逆の「専業禁止」のポリシーについて、副社長・清水正樹さんは「複業の推奨は会社にとってもメリットしかない」と、『キャリアハック』内のインタビューにて答えています。
今の世の中、正社員になれば一生安泰な世の中ではないことは優秀な人ほどわかっています。優秀な人材ほどすぐに会社を辞めていってしまうことから、いっそ副業を解禁することで会社に長くいてくれるようになるし、もし独立してもその後の関係を維持できると考えたのです。
実際、清水さん自身もエンファクトリーの副社長をこなすかたわらでハリネズミカフェの経営、Webマーケティングや新規事業のコンサルティングを手掛けるなど多数の複業をこなしています。
“事業型にしても、業務委託型にしても、僕は副業はプチ起業だと思っているんですよ。自分で一個でも契約を回してみると、収支管理に納税というミニ経営者経験ができますし、ジェネラリスト的なスキル向上にも、個人としてのキャリアアップにも繋がります。だからこそ、何を望んでの副業なのか、自分のモチベーションを決めておく必要があると思っています。プロボノでもやりたいのか、あるいは収入が欲しいのか。一つ一つごとに考えるというよりも、どんな人生にしたいのかという大上段を考えることで、それに対して本業なり副業なり、あるいはプライベートなことが落ちてくると思うので、その大枠を意識することが大事ですね。”
── 五足のわらじを履く多業家が教える、副業で人生を開花させるコツとは? | 副業社員.Journalより引用(※ 2箇所目の太字、マーカーは当サイトで編集)
「副業」は小遣い稼ぎではなく「プチ起業」。このような考え方を持っておくことで、複業がただの小遣い稼ぎではなく、将来につながる意味のあるものになっていくでしょう。
この度、小学館さんにお声がけいただき「専業禁止!!」
という書籍を12月1日に出版することになりました!https://t.co/JQ9MU4CAei・見えてきた「本当の働き方改革」
・私の「複業」ライフ
・副業が人を幸せにする理由
・エンファクトリーの「専業禁止!!」哲学
・ポートフォリオワーカーの働き方— 清水 正樹@小学館より『専業禁止!!』出版 (@masaki316) November 18, 2020
エンファクトリーの社員たちの複業実践例や「専業禁止」を掲げるメリット
「専業禁止」を掲げるエンファクトリーの社内は、どのような雰囲気なのでしょうか? 営業兼広報をつとめる松岡永里子さんは、『SHARE WORKEWR LIFE』のインタビューにて「皆が当たり前に自分の複業の話をしていることに最初は戸惑いました」と語っています。
“皆が当たり前に自分の複業の話をしていることに最初は戸惑いましたね。有名な社員の複業例では、役員の清水がハリネズミカフェ「ちくちくCAFE」(https://hedgehoghome.cafe/)を経営していることでしょうか。メディアでも取り上げられて、複業のほうが収入が多いこともあるそうです。他にはスキル系(エンジニア、デザインなど)、コンサル系などさまざまなタイプの複業をしている社員がいます。身近に複業している人を見るとやはり刺激になりますし、「ちょっとやってみたいな」という気持ちになりますね。”
── “専業禁止”な会社で働く社員の実情とは? エンファクトリー 営業・広報 松岡永里子さん | SHARE WORKER LIFEより引用(※ 太字、マーカーは当サイトで編集)
このような刺激的な環境の中、現在は松岡さん自身もWebメディアの編集長と執筆の仕事をしたり、知人とバルーンギフトを販売するECサイトを運営したりといった複業をしていると言います。
最初は無理をしてストレスを感じながらも、徐々に自分のキャパシティや働くペースを掴み、今では平日は本業のみ、土日で複業に取り組みバランスをとっているそうです。
また、複業を始めたことで受け身だった性格も自発的に動けるようになったり、効率重視の働き方ができるようになったりなど、スキルアップや成長に大きく貢献したと感じていると言います。
複業をすることは、自分自身の可能性を活かし、本業では知ることのできない気づきを与えてくれます。結果的にその気づきが本業にも良い影響をもたらし、自分らしい働き方に結びつけてくれるのです。
「芸人をやりたい」ではなく「芸人もやりたい」二足のわらじを履き、FIREを達成した厚切りジェイソンさん
まず紹介したいのが、芸人であると同時に一流のビジネスパーソンでもある厚切りジェイソンさんです!
厚切りジェイソンさんは知っての通りお笑い芸人・テレビタレントとして活躍する一方で、芸人になる前からIT企業「株式会社テラスカイ」の会社役員を勤めています。そして最近ではプログラミングや英語の番組へ出演し、さらに自分の複業について本を出すなど多方面で大活躍中です。
2017年に公開された『U-NOTE』のインタビューでは、そんな彼が「芸人」と「ビジネスパーソン」というパラレルキャリアを選んだ理由についてこのように語られています。
“ビジネスパーソンとしてITを選んだ理由は、子どもの頃から「こんなに早くモノが変わっていく業界は他にはない」とワクワクしたことが大きいですね。世界の流れはITが握っている、と。IT業界でキャリアを順調に積んでいるときは、自分の成功ばかり考えていました。そんな中で、ある時ふと「自分の好きなこともやってみたいな」と感じるようになって、芸人をやろうと決めたんです。同時期に芸人を目指した同期は、「芸人“を”やりたい」であって、それ以外の人生はすべて捨てていました。でも、その中から売れた人はいないんですよね。僕は「芸人“も”やりたい」だった。もちろん、仕事を辞めることはまったく考えていなかったので、週末などの時間を使って目指すことにしたんです。”
──「厚切りジェイソンが語る新時代の働き方」|仕事を楽しく、毎日をかっこ良く。U-NOTEより引用(※ 太字、マーカーは当サイトで編集)
興味・関心のある「IT」の仕事と、自分の好きなことである「芸人」という職業。そのどちらもを実現するため、ジェイソンさんは週末などの時間を使って「2つのやりたいことの両立」を目指したのです。
厚切りジェイソンさんが複業をする理由
もともとエリートだったジェイソンさんがどうして芸人とIT役員の二足のわらじを履くことにしたのか。それは、芸人を複業にすることでいろいろなスキルが身につき、人前で話すことが得意になると考えたからです。本業であるIT企業にも相乗効果が生まれると考え、複業に至ったのです。
当然、芸人になった当初は取締役会で「ジェイソンなにやってんの?」と言われることもあったそうです。でも、複業として芸人をはじめたことで「厚切りジェイソン」として世間に認識されると同時に会社のメディア露出も増加。
- 「厚切りジェイソンが働く会社ってどんなとこ?」
- 「厚切りジェイソンってIT企業の会社役員だったんだ!」
こういった視聴者の認知度が、同時に会社を世間に広めるチャンスになったのです!
複業・副業に関して、同記事内でジェイソンさんはこのようにも語っています。
“僕が芸人を目指したように、リスクが少ないやり方が絶対にあるはず。自分の時間を使ってやってみれば、肌感覚でわかります。「会社があるからできない」は、自分ががんばらなくていい言い訳をしたいだけですね。(中略) 日本は失敗を怖がっているビジネスパーソンが多いですよね。「失敗=死ぬ」みたいな。あれはやめたほうがいいです。とりあえず幅広く色んなことをやってみることが大事ですよ。なにができるか、社会に必要とされるかは、やるにつれて肌感覚でわかってきますから。”
──「厚切りジェイソンが語る新時代の働き方」|仕事を楽しく、毎日をかっこ良く。U-NOTEより引用(※ 太字、マーカーは当サイトで編集)
ジェイソンさんが語っている通り、やってみないことには認識も広がりません。まずは興味を持ったことから実際にチャレンジしてみることで自分の視野も広がり、だんだんと自由に生きる複業家に近づいていけるのです。
会社経営しながら大手企業でも働く”パラレルキャリア女子”・正能茉優さんの複業実践例
正能茉優(しょうのうまゆ)さんは、誰もが知る大手家電メーカー・SONYで働くかたわら、「株式会社ハピキラFACTORY」の社長も勤める「パラレルキャリア女子」として一躍有名になった方です。
正能さんは、慶應義塾大学在学中に地方の商材をかわいくプロデュースし発信するハピキラFACTORYを設立。設立する経緯はまちづくりのインターン。長野県小布施町の「小布施若者会議」という企画を行ったところ、参加者のうち23.8%しか女性が集まらなかったことが会社設立を考えるきっかけになったと言います。
“きっかけは大学1年生の時、長野県小布施町でのまちづくりのインターンに参加したことですね。それを契機に、これからの地域のあり方を考える「小布施若者会議」というイベントを2012年に開催したのですが、当時はまだ地方創生といった言葉もない時代で、参加者も男性ばかりでした。でも私は、女性にも小布施町の良いところを知ってもらいたかった。そこで、小布施町の特産物である「栗鹿の子」をかわいくしてみることにしたんです。”
── 【対談】正能茉優×lotsful田中―これからの働き方は”スラッシュキャリア”!? | lotsful Magazineより引用(※ 太字は当サイトで編集)
「どうやったら女性も興味を持ってくれるのか」。そうして思いついたのが、地方の魅力的な商材を「かわいい」ものへと変身させることでした。出版社などへの売り込み、雑誌、各種メディアにPRプロモーションを実施、オリジナルショップなどを作って自ら販売したところ、1週間で2,000個も売り上げる成果を残します。この経験を活かして「地方創生をほかの地域でもやったら面白そう」と考えた結果、ハピキラFACTORYが誕生したのです。
大学卒業後、正能さんは広告代理店に就職。その後ソニーへと転職し、新規事業・商品開発を担当。3年9ヵ月在籍したソニーを辞め、2020年にはパーソルキャリアへと籍を移します。
現在は人材業界に携わりながら、北海道天塩町「政策アドバイザー」、経済産業省「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」の委員をつとめるなど、パラレルキャリア女子として活躍中です。
フレックス制をうまく利用して正社員勤務と会社経営を両立
そんなパラレルキャリア女子・正能さんのスケジュールはどうなっているのでしょうか。正社員で長く働きたい女性のための転職サイト『女の転職type』に掲載されたインタビューによると、正能さんの1日のスケジュールは次のようになっているそうです。
- 朝イチはハピキラの仕事
- 9時半にはソニーに出社
- 退社後はトモダチとの飲み会や家族と過ごす
このように、パラレルキャリアとして活躍しながらも、プライベートを疎かにはせず、等身大の女性を楽しんでいるそうです。
でも、毎日精力的に取り組む正能さんでも、半年に一回くらいはパンクしてしまうこともあるんだとか。パンクしたときには、どうこう考えずに家に引きこもるのが正能さん流。ハーゲンダッツを買ってNetflixを観る。仕事はバリバリこなしながらも、ときどきは自分を労ってあげることも大切なのです。
「人生のあらゆることを70点でもいいから、バランスよく楽しみたい」| 正能茉優さんが大事にしていること
そんな正能さんは、女性のための求人・転職サイト『とらばーゆ』の中で、次のように語っています。
“ミレニアル世代と呼ばれる世代ですが、例えば仕事で120点取れば人生も120点、という考え方の人はあまりいない。“仕事”“家族”“友達”“恋人”それぞれが60~70点ぐらいで、バランスよく頑張って人生全体で120点にしたい……という考え方の人が多いし、私自身もそう思っています”
── 25歳で、ハピキラ社長とソニー社員を兼業する「パラレルキャリア女子」正能茉優さん「両方やりたいから、両方楽しくやってます!」 | 女性のための求人・転職サイト・とらばーゆより引用(※ 太字は当サイトで編集)
実際、複業をするとなると、時間的にも体力的にも大変なことは確かです。また、やりたいことを複業にした人ほど、働きすぎてしまうこともあります。
でも、大切なのは仕事だけではありません。仕事以外の趣味や出会いが仕事にもつながってくることも多いものです。複業を実践するときには、正能さんのように「バランス」を大事にすると良いですね。
プロバスケ選手ながら公認会計士やバー経営もこなす岡田優介さんの複業事例
男子プロバスケットボールのBリーグ「京都ハンナリーズ」で活躍するかたわら、26歳で公認会計士試験に合格。さらに現在ではバー経営、3人制プロバスケットチーム「TOKYO DIME」の共同オーナーとしての幅広い顔を持つのは、現在「アルティーリ千葉」に所属する岡田優介さんです。
岡田さんはなぜ、プロバスケットボール選手として活躍する一方で、パラレルワーカーとして働くのでしょうか。そこには、「バスケ業界を盛り上げたい」という想いがあったそうです。
「一つの目標に向かうという時代は終わった」| 岡田さんが複業をする理由
学生時代からプロバスケットボール選手を目指していたという岡田さん。しかし、常に「文武両道」を心掛けていたと言います。大学3年生の前期までで大学の単位をほぼ取り終わっていた岡田さんは、「将来は、プロバスケ選手として自分にしかできないことにチャレンジしたい」と考え、公認会計士の資格を取ることにしたと語ります。
“軸足はバスケに置きつつ、多面的な視点を持ちながら、何か漠然と大きな力をつけ、単なるバスケ選手ではなく、希少価値があり、オリジナリティあるバスケ選手になりたいと考えていました。とにかく大きな力をつけたいという思いがありましたね。”
── やりたいことは全てやる、公認会計士試験に合格したプロバスケ選手の生き方 | Hupro Magazineより引用(※ 太字は当サイトで編集)
現在では注目を浴びるようになってきたBリーグですが、岡田さんが学生であった当時はまだまだメジャーなスポーツとは言えない現状がありました。そんな中で「何かを変えたい、バスケ業界を盛り上げたい」と思い、話題性のある武器を持つために公認会計士を目指したのです。
そんな岡田さんは現在、前述の通りバーの経営など多方面で活躍されています。学生スポーツメディア「4years.」のインタビューでこれからの目標について聞かれた岡田さんは、次のように答えています。
“いまスタンダードだと思われるものが、もしかしたら3年後にはまったく別のものになっているかもしれない。そういう時代なので、何か一つの物事や考え方に没頭せず、あまり具体的な目標を決め過ぎなくていいのかなと思います。何になりたいかよりも、何をしたいかベースで。例えば、公認会計士として何をしたいか、プロスポーツ選手になれたら何をしたいのか。そういう考え方をした方がいいのかなと僕は思います”
── 何をしたいかを求め続け、選手兼経営者のいまがある 岡田優介4完 | 4yearsより引用(※ 太字、マーカーは当サイトで編集)
そんな岡田さんは実際、2020年の東京オリンピックが延期と決まったときも、
“そういうことが起きることも当然あり得ると思っているので、あまりネガティブには考えていません。変わらず心を強く持って、やるべきことをやっていく。逆にチャンスだと思わなければいけないと思っています”
── 何をしたいかを求め続け、選手兼経営者のいまがある 岡田優介4完 | 4yearsより引用(※ 太字は当サイトで編集)
と話しています。岡田さんのような柔軟な視点が複業家として生きるうえで大切なのです。
複業の形は人それぞれ。「自分らしい生き方」を実現できるのが複業のメリット!
本記事で紹介した人たちのように、現代では「複業家」「パラレルワーカー」として活躍する人が増えています。そして、これから先はもっともっと増えてくるでしょう。
本業と同じくらい全力でコミットする「複業」を実践するには、それなりのスキルなどが必要です。本業で何かしらのスキルや経験を身につけている方ならばそれを活かして複業を始めることもできますが、そんな自信がない人も多いかと思います。
そんな方は、厚切りジェイソンさんが語っていたように「リスクのないやり方」を模索して、小さくスタートすることが大切です。まずは「副業レベル」からスタートして、少しずつスキルや経験を積みながら「複業」へと発展させていくと良いでしょう。
自分のやってみたいことや続けられそうなことを「副業」からはじめ、自分の可能性を広げてみましょう!
====
僕が運営しているオンラインサロン【BOB】(blue Ocean branding)コミュニティでは、
”ロイヤル顧客で満席の仕組み”を詰め込んだ『Ocean-factory』
を活用して、
-
ロイヤルカスタマーで満席のサロン経営
-
サロン経営でのAI活用法
-
具体的な仕組みづくり
-
セルフリサーチ(自社分析)
-
SEOマーケティング初級~上級
-
トークスクリプトの作成方法
-
LP作成
-
MEO対策(口コミの裏技や知識)
他にも色々と情報を投下しています(‘ω’)ノ
オンラインサロンは専用chat(BAND)で個別相談などもOK!
ぜひご興味がある方は覗いてみてくださいね(#^.^#)