時代は平成から令和へと流れ、新型コロナウイルスの感染拡大によって世の中は一変しました。従来「あたりまえ」とされてきた社会のシステムやライフスタイル、そして日本人の価値観までもがターニングポイントを迎えた中、いま注目されているのが「複業」という働き方です。
複業は、一般的な「副業」とはまったく異なる「新しい概念」「新しい働き方」です。一般的な「副業」の場合、その目的は単に「お金を得ること」ですね。「収入を増やす」「お小遣いを得る」ために、本業の終業後や休みの日など、空いた時間を使ってアルバイトなど別の仕事をするのが「副業」です。
それに対して、複業の主な目的は「収入を増やす」ことではありません。複業の目的は、一言でまとめるなら「自分らしく生きること」。もう少し具体的に言うと、「スキルを向上させる」「経験・キャリアを積む」「人脈を広げる」「やりがいを得る」「自己実現する」などが複業をする主な目的であって、「収入が増える」のはあくまで「結果としてついてくるもの」という位置付けなのです!
そしてこれからの時代、複業という働き方のメリット・重要性は、確実に増していきます。かつては諸外国から「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで言われた日本企業もいまや、国際的な競争力を失いました。その結果、これまで日本を支えていた「終身雇用」と「年功序列」による「日本型雇用」は崩壊。さらには少子高齢社会が進行し、ぼくたちはこれから「人生100年時代」を生きなければなりません。そしていま、新型コロナウイルスが現在進行形で社会の常識・価値観・仕事観に風穴を空けています。
そんな社会の転換期を迎えた現代。これからは「個の時代」がやってきます。会社の名前や肩書きではなく「個人」としてのスキルやキャリア、人脈が物を言うこれからの時代では、「複業」こそ「自分らしい生き方」を手に入れる手段になっていくのです!
最大手美容室チェーンで売上.指名共に1位を獲得し独立するものの猛烈な赤字でスタート。マーケティングを学び駆使した後、圧倒的な黒字化の仕組みを構築。サロン経営者にコンテンツセールスやコンサルをスタート。3年で複業月収8桁を達成。600名以上が登録する無料オンラインサロン(MAKE TIME)や、”ロイヤル顧客リピートで満席の仕組み”を構築できる実践型のオンラインサロンを運営。コンサルタントとして50件以上のサロンを年商800万~3000万以上UPさせた実績を持つ。現在ではサロンのロイヤルリピート経営の仕組み化や、複業のサポートコンサルを継続中。
新時代の働き方「複業」とは? | 複業の意味と目的
複業とは、本業・副業のようにメインとサブの序列をつけず、複数の仕事・活動を並行して行う働き方です。仕事だけでなくNPO活動や創作活動、学術的な研究・調査活動なども含まれ、「パラレルワーカー」「スラッシュワーカー」「副業2.0」などとも呼ばれます。
複業のわかりやすい例を挙げるなら、日本テレビの「news zero」などに出演している落合陽一氏がぴったりですね。落合氏はメディアアーティストとして活動する一方で、筑波大学の准教授として研究活動や教員としての職務をこなし、さらには会社経営や作家活動なども行なっています。落合さんはかなり極端な例ではありますが、このように「どれが本業だかわからないような働き方」、言い換えれば「複数の本業を持つ働き方」こそが複業なのです。
複業の源流はドラッカーが提唱した「パラレルキャリア」にある!
そもそもを辿ってみると、複業は「マネジメントの父」と呼ばれる経営学者、ピーター・ドラッカー氏が提唱した「パラレルキャリア」という概念が始まりとなっています。ドラッカー氏は著書『明日を支配するもの』の中で、次のように語っています。
“個人の寿命が企業の寿命より長くなった今、人は組織のみに頼らず、それとは別に第2のキャリアを並行して始め、新しい世界を切り開いていくべき”
― P.F.ドラッカー 原著『明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命』(ダイヤモンド社, 1999)
複業は、この「パラレルキャリア」の概念が発展して生まれたものです。したがって、複業の元々の目的は「会社への依存をやめ、個人として自立するためにスキルやキャリアを積んでいくこと」にあるのです。
“複業”と“副業”の違い | 似ているようでまったく違う2つのフクギョウ
“複業”と“副業”は似て非なるものです。その一番の違いは、それぞれを行う「目的」です。複業では、仕事を単に「お金を得るためのもの」と考えるのではなく、「自分を成長させるもの」「自己実現の場所」「自分らしく生きる手段」と捉えます。このように、“複業”と“副業”では根本的な考え方がまったく違うため、それに伴って仕事への意識・取り組み方や就業形態、具体的な仕事内容などにもさまざまな違いが生まれます。
複業にはメイン・サブの序列がない
前述の通り、「本業」と「副業」の間に序列がはっきりしている「副業」に対して、「複業」ではメイン・サブという序列をつけません。「複業採用」という独自の採用方式を実践して話題となったIT企業「サイボウズ」も、複業と副業の違いを次のように説明しています。
“サイボウズの考える複業とは、複数の仕事を持ち、いずれも「本業」とみなす考え方です。それぞれの仕事にメイン・サブといった序列をつけず、どれも大切な本業と考えます。一方の副業は、メインとなる本業とは別に、主に収入を目的としてサブの仕事をすることを指します。”
― 藤村能光・倉貫義人 著『未来ビジネス図解 働き方シフト』(MdNコーポレーション, 2020)p.040
つまりは、複業で行う仕事も本業と同じようにメインの仕事になります。したがって、一般的な副業とは仕事への取り組み方や責任の大きさが変わってきますし、それは当然、仕事内容や収入にも反映されます。
「複業」と「副業」では就業形態、仕事の種類、収入なども異なる
副収入を主な目的とする「副業(≒ダブルワーク)」では、アルバイトや単発派遣などといった「雇用型」「時間労働型」の仕事をする人が多いです。「業務委託契約」の仕事をする場合もありますが、この場合も袋詰めの内職やデータ入力などといったスキル不要ですぐに始められる仕事を選ぶのが一般的です。
これらの仕事は即金性が高く、働いたら働いた分だけすぐにお給料を貰える一方で、自分のスキルやキャリアはほとんど向上しません。また、長く続けたところで貰えるお給料が増えることもほぼありません。つまりは、ただ「その場の合計収入が増える」というメリットしかないのです。
一方で、複業では「成果報酬型」や「個人事業型」の仕事を選ぶ人が多いです。例えば、以下のようなものです。
- WebライターやWebデザイナー、イラストレーターなどとして「業務委託契約」で仕事を請け負う
- 本業で得た知識や経験を活かしてワークショップやセミナーを開催する
- Youtuberやブロガーとして広告収入、アフィリエイト収入を得る
- ハンドメイド商品やLINEスタンプ、スマホアプリなどをつくって販売をする
- 兼業農家としてこだわりの野菜や果物をつくり、ネットショップを中心に販売する
あるいは、「複業OK」の会社2社以上で並行して正社員勤務をする場合もあります。いずれにせよ、これらのような仕事で稼ぎを得るには、一定のスキルや知識、実績が不可欠です。できれば人脈も欲しいところです。そのため、趣味や本業ですでに経験を持っている人ならば時間効率よく稼げますが、未経験から始めるとコンビニのアルバイト以下の収入になってしまうことも少なくありません。
しかし、続けるごとに知識・スキル・経験や人脈が蓄積されていき、将来の自分の可能性を広げてくれるのが複業の大きなメリットです。
なぜいま複業が注目されているのか | これからの時代に複業が重要となる5つの理由
近年、日本でも複業という働き方を選ぶ人が増えています。その理由は、日本社会がいままさにターニングポイントを迎えていることにあります。具体的には、次のような時代背景が複業ブームの裏に隠れています。
- ①「終身雇用」「年功序列」といった「日本型雇用」の崩壊
- ② 高齢化による「人生100年時代」の到来
- ③ インターネットの発展による、時間や場所の制限からの解放
- ④ 働き方改革による副業解禁とコロナ禍によるリモートワークの普及
- ⑤ 人々の価値観や人生観の多様化
①「終身雇用」「年功序列」といった「日本型雇用」の崩壊
昭和から平成、令和へと時代が移っていくなかで、日本の産業構造は大きく変化しています。日本企業が大躍進を遂げた高度経済成長の時代、日本では長時間労働や単身赴任、副業禁止は当たり前のものでした。しかしその代わりに、終身雇用制度、年功序列、十分な退職金が保証されていたのです。
この特殊な「日本型雇用」の在り方を、複業研究家の西村創一朗氏は著書『複業の教科書』の中で「いわば、20世紀型の”御恩と奉公”」だと述べています。
“個人は、「一生あなたを守ります」という企業の御恩を感じられたからこそ、「あなたのために尽くします」と忠誠を誓い、「副業禁止」や長時間労働は自然に受け入れられるものでした。”
― 西村創一朗 著『複業の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2018)p.028
しかし、この”御恩と奉公”の関係はとっくに崩れています。現在の日本企業に、当時のような力はもうありません。ソニーやパナソニック、トヨタなどといった日本を代表する企業が「終身雇用や年功序列はもう難しい」と公式に発言する時代です。「良い企業に就職できたら一生安泰」だった時代は、既に過去のものなのです。
この”一生一社”の前提が崩れたこの時代、社会のなかで生き残れる人材になるためには、自分の市場価値を高める必要があります。市場価値の高い人材になれれば会社の中で昇進することもできますし、いざとなれば転職や独立起業も選べます。つまりは、会社に依存せず自分で好きな選択肢を選べるのです。
また、市場価値を高めるべき理由はそれだけではありません。これからの時代は、これまで以上に「お金が足りない時代」になっていくと予想されているんです……。
② 高齢化による「人生100年時代」の到来
厚生労働省の「令和元年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳となっており、過去最高を記録しました。平均寿命は年々伸び続けており、厚生労働省の「人生100年時代構想会議 中間報告」では「2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されている」と報告されています。つまり、いよいよ「人生100年時代」が到来するのです!
2019年、金融庁の発表が発端となって「老後2000万円問題」が物議を醸しましたが、人生100年時代になると老後の資金不足もいよいよ現実化してきます。このまま平均寿命が伸びていくと、ぼくたちが将来受け取れる年金受給額は3〜4割ほど減少すると予想する研究報告もあります。そんな先行きの見えない現在、老後のために数千万円の貯金をつくっておけなければ、より高齢まで働かなければなりません。
しかしながら、サラリーマン一本でやってきた人の場合、定年後も同様に「雇用型」の仕事をするだけでは大幅に所得が下がります。その一方で、複業としてフリーランスのような稼ぎ方をしていた人なら、そもそも定年という概念自体がありません。体力面・健康面の心配こそありますが、Webライターやプログラマーなどといった職種なら体力が衰えてきても働きやすいですし、積み重ねてきたスキルや知識、経験値によって若い働き手と差別化した価値を産むことができます。「時間労働」ではなく「能力で稼ぐ」という働き方は、人生100年時代を生き抜くうえで大きな武器となるのです。
さて、ここまでは暗くなってしまうような時代背景ばかりを述べてきましたが、ぼくたちにとってプラスな変化もたくさんあります。いまの時代だからこそ個人でも実現できることがたくさんあるのです!
③ インターネットの発展による、時間や場所の制限からの解放
現代の日本では、インターネットやスマートフォン、SNSが一般にまで広く普及していますね。そのおかげで、ひと昔前なら難しかったことが、個人の力だけでかなり実現できるようになっています。
例えば、WebデザイナーやWebライター、プログラマーなどといった仕事をしている人なら、パソコン1台とインターネットさえあれば時間と場所にとらわれないライフスタイルが可能です。なかには、ブログやYouTube、ライブ配信などを利用して「好きなことで生きていく」人だっていますね。
しかも、そのような働き方を実現するためのプラットフォームやスキルを学ぶための環境も、インターネットの普及とともに急激に整いました。クラウドソーシングやSNSの発展により、自分の持っているスキルを活かしてすぐに複業を始めることが可能となっています。
また、GoogleやYouTubeで検索すれば、将来に繋がる副業のやり方や転職の戦略などの「価値ある情報」がいくらでも無料で手に入ります。もちろん、本屋さんを訪れればさらに密度の濃い成功者の知恵が1,000円、2,000円ほどで学べます。そのぶん競争や収入格差が激化した時代ではありますが、裏を返せば誰でもやり方次第で逆転できる時代なのです。
それだけではありません。このほんの数年の間に、日本の社会全体が「複業を始めやすい環境」へと変化しているんです!
④ 働き方改革による副業解禁とコロナ禍によるリモートワークの普及
2016年9月に「働き方改革実現会議」が設置され、翌年3月には「長時間労働の是正」や「柔軟な働き方がしやすい環境整備」などを目指した「働き方改革実行計画」がまとめられました。
そして2018年1月には企業が就業規則を定める際の指針となる「モデル就業規則」が改正され、「企業は社員の副業・兼業を認めるべきだ」という国の方針が明言されたのです。
- 従来の規定 : 「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」
- 新しい規定 : 「勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」
このモデル就業規則に法的な効力はありませんが、この政策転換が日本社会に与えるインパクトは小さくありません。実際、2018年以降のほんの数年だけで、ロート製薬やソフトバンク、カゴメ、みずほ銀行、三菱地所、アサヒビール、キリンHD、新生銀行、ダイハツ、DeNA、九州電力などといった大手企業が続々と副業・複業を解禁しているのです。この動きは今後さらに広がっていくものとみられており、転機となった2018年は「副業元年」と呼ばれています。
また、いま深刻な問題となっている新型コロナウイルスの感染拡大も、働き方改革の浸透にとっては追い風になっています。コロナ禍によってリモートワークや在宅勤務が一気に普及し、無駄な残業時間も削減されました。出勤せずともリモートで仕事ができるようになり、通勤時間がゼロになっています。この変化によって、物理的な時間や体力の面でも、複業に取り組みやすい環境が整ったのです。
加えて、コロナ禍で「外出の自粛」や「おうち時間の増加」が増えた結果として、複業(副業)として取り組みやすいWebライターやWebデザイナー、動画編集などの仕事の需要も大幅に増えています。このように、コロナ禍のいまこそが複業を始めるには最適な時期なのです!
そして、新型コロナウイルスにより大きな影響を受けたものがもうひとつあります。それは、私たちひとりひとりが持つ価値観や人生観です。
⑤ 人々の価値観や人生観の多様化
新型コロナウイルスはこれまでの常識に多くの疑問を投げかけています。先ほど解説したリモートワークの普及がいい例です。これまでは週5日、毎日同じ時間に出勤することは当たり前のことだったはずです。しかしコロナ禍でリモートワークを続けるうちに、「あれ、みんな揃って同じ時間に出勤しなくても、会社って回るんだ」と気づいた人や会社は多いのではないでしょうか? このように、コロナは社会全体に大きなパラダイムシフトを起こしているのです。
そしていま、コロナ禍を通じて自分のキャリアや生き方を見つめ直す人が急増しています。街にはシャッターが閉まったままのお店が目立つようになり、倒産や人員削減をする会社の話を耳にする機会も増えました。また、コロナ禍で人と会う機会が減って「自分は人とコミュニケーションを取るのが好きだったんだ」と気づいた人もいれば、「実家の家族が大事だから、地元に帰りたい」と感じた人もいるでしょう。それぞれの価値観のなかで、「自分の人生はこのままでいいのか」と改めて考える人が増えているのです!
価値観が多様化した現代において、絶対的な正解はありません。こんな時代だからこそ、自分の「在り方」「価値観」を見つめ直し、「自分らしく生き、自分にとって大事なものを大切にできる働き方をすること」がいま求められているのです。
これからは「複業」の時代! 複業で得られる大きなメリット
複業の目的は「お金ではなく市場価値が高まること」だと述べましたが、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか? その答えを一言で表すなら、「無形資産が蓄積され、結果として自分らしく生きるための能力が身に付く」ということです。もっと詳しくまとめるなら、次の通りですね。
- やりたいこと探し、適正チェックが低リスクにできる
- 自分の市場価値を高めることができる(スキル、経験、人脈、実績)
- 複業と本業の相乗効果が両方に良い影響を与える
- 自分の可能性を広げられる(転職、独立、本業の昇進)
- スキルや実績がつくほどに収入も増えていく
- 自分の人生への主体性が高まる
- 仕事へのやりがいや情熱が生まれる
複業なら低リスクにチャレンジができる
まず、複業なら「リスクを取らずに新たなチャレンジができる」というメリットがあります。何かやりたいことがあったとしても、いきなり転職や独立起業をするとなれば大きなリスクを伴います。収入が減ってしまう可能性もありますし、いざ転職してみて「なんか思っていたのと違う」となれば目も当てらません。
しかし複業なら現在の本業を残したままチャレンジできるため、収入面のリスクはほとんどありません。また、やってみてもし合わなければ、辞める自由もあります。複業は「やりたいこと探し」や「適正チェック」に最適なのです。
複業を通して自分の市場価値が高まり、将来の収入増に繋がる
複業を始めることでスキルや経験を積めますし、新たな出会いも得られます。こうして自分の中に「無形資産(≒ スキル・経験・人脈・実績)」を蓄積していけば、自分の選択肢はより広がっていきます。より良い条件で転職することも、独立起業を目指すこともできます。また、複業で獲得したスキルや人脈は、本業にもプラスの影響を与えます。複業で自分を磨くことにより、いまの職場でより活躍・昇進することもできるのです。
このように、複業は自分の市場価値を高めてくれます。するとその結果として、収入も後からついてきます。ブログやWebデザイン、プログラミングなどといった仕事はスキルや実績に伴って収益性が向上しますし、複業を通して昇進や転職することにより、本業の収入が増えることも少なくないのです。
複業の最大のメリットは「自分の人生に主体性を取り戻せること」
ここまで「スキル」や「収入」などといった”わかりやすいメリット”を述べてきましたが、ぼくが複業をおすすめしたいいちばんの理由は他にあります。複業をする最大のメリット、それは「自分の人生に主体性を取り戻せる」ことです!
やってみたかったことを始めたり、収益化を目指して試行錯誤したり、複業を通して新たなコミュニティに所属したり。このようなチャレンジのなかで、「誰かの指示を待つ働き方」「社会が引いてくれたレールに沿った生き方」「自宅と会社を往復するだけだった人生」から抜け出し、自らの人生に主体性を取り戻すことができるのです。複業で得られたやりがいや情熱は仕事のパフォーマンスも向上してくれますし、何より人生の満足度を高めてくれます。
「自分らしい生き方を実現できる」こと。これこそぼくが複業をおすすめしたい最大の理由なのです。
複業はスタート時の難しさがデメリット | 複業を始める前に気をつけるべき注意点
こんな時代だからこそぜひおすすめしたい複業という働き方。しかし、そんな複業にもいくつか気をつけるべきデメリットや注意点があります。たとえば次のようなものです。
- スキルや人脈がないとすぐには稼げない
- 働きすぎや睡眠不足に注意
- タイムマネジメントなど自己管理力が必要
- 本業の副業禁止に抵触する可能性
- 基本的に確定申告が必要になる
複業を始めた当初は稼げない場合もある
ここまでに解説してきた通り、複業で実践すべき仕事はスキルや実績、あるいは積み重ねを要するものがほとんどです。したがって、始めたばかりのころは、アルバイトなどの一般的な「副業」よりも稼げない場合も多いです。
特に、まったく未経験の分野にチャレンジする場合、最初のうちは時給換算で数百円程度になってしまうこともありますし、ときには先行投資を回収できずマイナスになってしまうことすらあります。この点は理解したうえで、序盤は「スキルアップ」「実績を積むこと」「人脈を広げること」を意識して複業に取り組んでいきましょう。
健康管理やセルフマネジメントの能力が求められる
当然のことですが、複業をするからには本業を疎かにしてはなりません。本業があるからこそ新たなチャレンジを低リスクにできるわけですので、その基盤を失ってはならないのです。
そして、本業と複業を両立するためには、自己管理やタイムマネジメントが欠かせません。自分で決めたルールを守れずついダラダラしてしまったり、あるいは逆に熱中しすぎて睡眠不足になってしまうようだと、複業はうまくいかないのです。
副業禁止の会社がまだ多い
副業解禁の流れが近年進んでいますが、それでもまだ副業(複業)を禁止している会社の方が多数派です。就業規則で禁止されているのに複業していることが会社にバレてしまった場合、最悪の場合は懲戒解雇になってしまう可能性すらあります。もし副業が禁止されているのなら転職を検討するか、リスク管理を徹底して絶対にバレないように隠し通しましょう。
税金や確定申告の知識が必要
複業・副業を始めると確定申告が必要となる場合がほとんどです。また、税金や社会保険などの知識がないと損してしまうことも多々あります。特に、本業に隠れて複業(副業)したい場合、住民税が原因でバレてしまうこともありますので、必ず税金と確定申告についての勉強をしておきましょう。
複業を始めるなら「why」の設定が最重要!成功する複業の始め方
最後に、ここまで読んで「複業を始めてみたい」と思ってくださったあなたへ、複業で成功するためのポイントを解説しましょう。
ポイント①「why = 複業をする目的・理由」が最重要
まず、いちばん大切なのは、最初に「why(=目的、理由)」を設定することです。つまり、複業する目的を明確にするということですね。自分がなぜ複業をしたいのか、複業をした先にどんな生き方をしたいのか、それをまずは明確にしましょう。ゴールを定めなくては、目的地に辿り着けりません。また、設定したゴールによって選ぶべき仕事の種類、とるべき戦略も変わります。まずは自分にとって理想の働き方、憧れるライフスタイルを思い描き、そこから「why」を具体化・明確化してみましょう。
ポイント②「can = できること」と「will = やりたいこと」を把握する
「why」が決まったら、次にやるべきことは自分の「can(=できること、得意なこと)」と「will(=やりたいこと)」を把握することです。いまの自分は何ができるのか。何が得意なのか。また、どんなことに興味があるのか。紙やメモアプリなどに書き出して、整理してみましょう。canとwillが重なる分野があれば、それが自分の取り組むべき分野、複業するべきフィールドの第一候補です。もし重なる部分がなけい場合は、canをベースに複業を始めてみましょう。そこからできることを広げていくのがおすすめです。
ポイント③「マーケティング」の視点を持つ
どんなに自分が得意で、しかもやりたいと思えることが見つかったとしても、世の中にまったく需要がないことならばそれは仕事として成り立ちません。また、いまの時代、需要があるところには必ずと言っていいほどライバルが既にいるものです。したがって、自分の複業をどのようにライバルたちと「差別化」して、「自分だけの価値」を作り出していけるのか。それが重要なのです。
そこで役に立つのがマーケティングの知識です。マーケティングとは、簡単に言えば「売れる仕組みをつくること」です。もう少し具体的に言うと、世の中のニーズや自分の持つリソースなどを分析して、勝てる戦略を考えることがマーケティングです。
マーケティングを理解して戦略的に動くのと、「なんとなく」で闇雲に動くのとでは、複業を軌道に乗せられるかどうかの可能性が大きく違いますし、うまくいった場合も成長の速度に差が開きます。複業を始めるなら、基本的なことだけでもマーケティングの勉強をしておくと良いでしょう。
【まとめ】「複業」は「副業」とはまったく別物。複業は「自分らしく生きる方法」である!
複業とは、時代の流れのなかでいま注目を浴び始めている「令和の新しい働き方」です。お金稼ぎを目的とした従来の「副業」とは考え方が根本的に異なり、「自分の市場価値を高めること」や「やりがいを持って主体的に生きること」などが複業の主な目的です。
日本経済の低迷や少子高齢化、そしてこの新型コロナウイルスの感染拡大などにより、国や会社がぼくたちの安定を支えてくれる時代はもう終わりました。これからやってくる「個の時代」を”より良く生きる”ためには、会社の名前や肩書きに頼らない「個人としての市場価値」や「主体的な生き方」が必要不可欠です。これからの時代に対応し、自分らしくイキイキと活躍するため、いまのうちから少しずつでもできることを始めて「複業家」「パラレルワーカー」を目指してみましょう。
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