「インサイド・アウト」とは、アメリカの経営コンサルタント、フランクリン・R・コヴィー博士の著書であり、世界で4,000万部以上を売り上げた大ベストセラー『7つの習慣』の中に登場する言葉です。
簡単に言ってしまえば「どんなことに対してもまずは自分自身の内面から始めよう」という考え方のことなのですが、『7つの習慣』ではインサイド・アウトという概念を中心に据えて「人格を磨くことだけが成功に直結する」という主張の根拠とその具体的な方法論を詳しく、力強く解説しています。
【ポイント】つまり、インサイド・アウトとは『7つの習慣』を理解するうえで欠かせない中心的な概念であり、人生を成功に導く基本的な要素なのです!
インサイド・アウトとは具体的にどういうことなのか。どうしてそれほどまでに大切なのか。「インサイド・アウト」という概念を解説しながら、コヴィー博士が『7つの習慣』で説く「成功のエッセンス」に触れていきます。
最大手美容室チェーンで売上.指名共に1位を獲得し独立するものの猛烈な赤字でスタート。マーケティングを学び駆使した後、圧倒的な黒字化の仕組みを構築。サロン経営者にコンテンツセールスやコンサルをスタート。3年で複業月収8桁を達成。600名以上が登録する無料オンラインサロン(MAKE TIME)や、”ロイヤル顧客リピートで満席の仕組み”を構築できる実践型のオンラインサロンを運営。コンサルタントとして50件以上のサロンを年商800万~3000万以上UPさせた実績を持つ。現在ではサロンのロイヤルリピート経営の仕組み化や、複業のサポートコンサルを継続中。
インサイドアウトとは? ── 人生を成功に導く基本的なパラダイム
「インサイド・アウト」とは、この人間社会の基本的で絶対的な原理・原則に基づいた、人生を成功に導くパラダイム(≒ 考え方, モノの見方)です。『7つの習慣』ではそのタイトルの通り「人生を好転させるために身につけるべき7つの習慣」が解説されていますが、それらを理解し実践するためには、まずインサイド・アウトという考え方を理解する必要があるのです。
さて、そんなインサイド・アウトという概念について正しい理解を得るには、そもそもの『7つの習慣』という本についてもう少し詳しく知っておくべきでしょう。そこでまずは、『7つの習慣』とはどんな本なのか。そこではどんな教えが解かれているのかを簡単に解説しましょう。
そもそも『7つの習慣』とは? ── 「人格主義」に基づく「正しい生き方」の教え
コヴィー博士の著書『7つの習慣』は、1996年に出版されて以来現在まで世界中で数多くの成功者に愛読されている一冊であり、「20世紀最高のビジネス書」と評されています。
この本の中では「真の成功を掴むための原理・原則と具体的な実践方法」が500ページの第ボリュームで詳しく解説されています。しかしながら、その中身は近年のビジネス書が扱っているような、何かしらのスキルやテクニックに関する内容とは一線を画しています。
【ポイント】コヴィー博士は、近年主流となっているテクニック論などのアプローチ方法を「個性主義」と名付け、成功要因にはなり得るが、「それだけで持続的な成功をもたらすことはない」と語っています。
個性主義のテクニック等は「人格や信頼などの土台」に乗ってこそ意味のあるものであり、それらをきちんと使いこなすためにも「人格主義」のアプローチが重要であり、そのための具体的な方法論を説いたのがこの『7つの習慣』なのです!
まとめると、単なるノウハウやテクニックではなく、より根本的な「人格」や「考え方」に目を向け、根っこから改善する方法を与えようというのがコヴィー博士の名著『7つの習慣』なのです!
「インサイド・アウト」は『7つの習慣』を貫く中心的な概念!
『7つの習慣』は三部構成になっています。第二部、第三部では「人格主義に基づく、成功に導いてくれる7つの習慣」について具体的に1つずつ解説されているのですが、その前の第一部では、それらの理解に必要ないくつかの重要概念が解説されています。その1つが「インサイド・アウト」です!
インサイド・アウトとは何か。コヴィー博士の言葉をそのまま引用しましょう。
“インサイド・アウトとは、一言で言えば、自分自身の内面から始めるという意味である。内面のもっとも奥深くにあるパラダイム、人格、動機を見つめることから始めるのである。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.043より
ここで、パラダイムとは何か、簡単に解説しましょう。パラダイムとは「物事の見方」、つまり物事をどう認識し、理解し、解釈しているかを表す言葉です。これがわかれば、インサイド・アウトとは何なのかが見えてきます。
インサイド・アウトとは、感情や欲望に流されて外部からの刺激にすぐ反応するではなく、まずは自分の感情や言動の源となっている「自分の人格やモノの見方」に目を向けていこうという考え方である。
このインサイド・アウトの考え方を身につけることで自分を成長させることが可能となり、「7つの習慣」を身につけて人生を良い方向へと変えていくベースが作れるのです!
パラダイム = 物事の見方・解釈の仕方。誰しもが自らのパラダイムという「世界を見るレンズ」を通して身の回りのことを理解している。
インサイド・アウトのパラダイムは「主体性」と「成長」につながる!
インサイド・アウトのパラダイム、つまり「まずは自分自身の内面から始める」という考え方ができるようになると、自分のことを自分の責任で判断し、選択できるようになります。これはまさに、コヴィー博士が提唱する「第1の習慣 主体的である」にあたります。
主体的である ≒ インサイド・アウトのパラダイムを身につける
そして、主体性を発揮できる人は、自身の人格を成長させられるだけじゃなく、仕事や人間関係もより良くしていけます。
インサイド・アウトの考え方が主体性を生み出し、成長につながる
「インサイド・アウト」のパラダイムがどのように成長に繋がっていくのか。コヴィー博士の言葉を引用しましょう!
“問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である。そのような考え方は、自分の外にあるものに支配されるのを許していることだ。だから、変化のパラダイムは「アウトサイド・イン(外から内へ)」になる。自分が変わるためには、まず外にあるものが変わらなければならないと考えるのだ。
それに対して主体的な人の変化のパラダイムは、「インサイド・アウト(内から外へ)」である。自分自身が変わる、自分の内面にあるものを変えることで、外にあるものを良くしていくという考え方だ。主体的な人は、もっと才能豊かになれる、もっと勤勉になれる、もっとクリエイティブになれる、もっと人に対して協力的になれる、というように考える。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.106より(※黄色の下線は本メディアによる編集)
インサイド・アウトの考え方を前提にした主体的な生き方は、自分自身を高めるだけではなく、外部に影響されずに自分の態度や反応を自分で選択しているため、心の安定にもつながります。さらには、良好な人間関係を築いたり、ビジネスでの成功にもつながるのです。
インサイド・アウトは「成長の階段」を登る最初のステップ!
「インサイド・アウト」とは反対の「アウトサイド・イン」のパラダイムを持っている人は、外部の刺激にいちいち影響を受けて反応的な態度・言動をしてしまいます。コヴィー博士は、このような状態を「依存」と呼んでいます。
そこから「インサイド・アウト」の考え方を身につけ、「外部の刺激に対する自分の反応」に対して責任を持てるように成長したフェイズが「自立」です。自立に到達できれば、その人は「私的成功」を達成できるようになります。
そして、さらに人格を磨いていくと、周りの人たちとWin-Winの関係を築き、助け合って相乗効果を発揮できるようになります。この状態は「相互依存」と状態に呼ばれ、 最高の効果性を発揮して「公的成功」を掴めるようになります。
このように、インサイド・アウトは成長の階段を登っていくために必要な最初のステップなのです。
“インサイド・アウトは、人間の成長と発達をつかさどる自然の法則に基づいた継続的な再生のプロセスである。また、上向きに成長する螺旋であり、責任ある自立と効果的な相互依存という高みに徐々に近づいていくことだ。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.044より
【まとめ】インサイド・アウトの考え方が人生を成功に導く基盤になる!
「何に対しても、まずは自分から」というインサイド・アウトの考え方は、ビジネスはもちろん、もっと大切な「人生の成功」に導いてくれる非常に重要な概念です。コヴィー博士の『7つの習慣』の中でもすべての基盤である「第1の習慣」に相当し、自分の人生を主体的に責任持って生きることに繋がります。つまりは、インサイド・アウトのパラダイムを身につけて初めて人格の成長が可能になるのです。
逆に言えば、「アウトサイド・イン」のパラダイムでいる限り、家族や友人、会社、お金、あるいは敵や政治などに振り回され、「依存」の状態から抜け出すことはできません。これではどんなビジネスもうまくいかず、家庭環境や友人関係なども不安定な状態です。まずは「主体性」を取り戻し、インサイド・アウトのマインドセットを身につけることがすべての始まりなのです。
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