マインド・仕事術

人格主義とは? ── ビジネスにも役立つ!「7つの習慣」の基礎をなす成功の原則を解説!

ビジネスで成功したい。何かを成し遂げたい。このままではダメだ。人生を変えたい! ── そんなとき、あなたならはどんなことを学び、どんなことを実践するべきだと考えるでしょうか?

ある人は「投資のやり方」や「Webマーケティングのスキル」などを勉強するかも知れません。また別の誰かは「いろいろなコミュニティや交流会に参加して、良い人脈を増やそう」とするかも知れませんね。いずれにせよ、このように「スキル」や「ノウハウ」を身につけたり、あるいは「人脈」や「環境」を変えたりしようと思う人が多いのではないでしょうか。

しかしながら、「世界一売れたビジネス書」である『7つの習慣の著者、フランクリン・R・コヴィー博士は、そのようなものはどれも「小手先のテクニックだ」と断じ、「真の成功者の考え方ではない」と唱えます。

コヴィー博士は、スキルやテクニック、戦略などが役に立つこと自体は認めているものの、それはあくまで「二次的な成功要因」だと考えます。これらの要素が「成功の第一要因ではない」からこそ、何冊ものビジネス書を読み漁り、たくさんの知識やノウハウを身につけたところで、ほとんどの人は成功できないというわけです。

それでは、成功するために本当に必要なものは何なのでしょうか。それこそ、コヴィー博士が「人格主義」と呼ぶ考え方です。コヴィー博士は優れた「人格」に基づく「信頼」こそが成功の源泉と考え、優れた人格とはどういうものなのか、それがなぜ成功に繋がるのか、どうすれば優れた人格を身につけられるのかを『7つの習慣』の中で説いています。著書のタイトルになっている「7つの習慣」とは、まさにこの「人格主義」を身につけるための具体的方法論なのです。

そんな「人格主義」とはどのようなものなのか。7つの習慣のコアとなる思想を深掘りしていきます。

人格主義とは? ── 「7つの習慣」の基礎をなす成功の大原則!

コヴィー博士が「成功を支える一次的な要因」と考える人格主義は、世の中には普遍的な「原理・原則」が存在するという前提に基づいています。

正義感や良心、謙虚さ、誠実性、可能性、勤勉、勇気、信頼などの概念は、忠誠度の違いこそあってもどんな人でも生まれながらにして意識の中に存在しており、その意味を理解しているとコヴィー博士は指摘します。そして、そのような概念が元となってすべての社会哲学や倫理体系、宗教観などがつくられおり、したがって「世の中には普遍の原理・原則が存在する」とコヴィー博士は考えたのです。

“人格主義の土台となる考え方は、人間の有意義なあり方を支配する原則が存在するということである。自然界に存在する引力の法則などと同じように、人間社会にもまた、時間を超えて不変であり異論を挟む余地のない、普遍的にして絶対的な法則があるのだ。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復 』(キングベアー出版, 2013年)p.028より

そしてコヴィー博士は、そんな世の中の原理・原則に自分の価値観を適合することができれば、自然と真の成功、持続的な幸福に導かれると考えます。

原理・原則を体得して人格の中に取り入れれば、そこから生み出される態度や行動は世の中の仕組みに沿ったものになります。だから自分の能力が最大限発揮されて私的成功を掴めるし、さらには周りの人たちからの信頼・協力によって、より大きな公的成功まで到達できるのです。

これがコヴィー博士の考える「人格主義」です。

人格主義は新しい考え方ではない ── 個人主義に塗り替えられた成功法則の歴史

「人格主義」という言葉はコヴィー博士が名付けたものですが、その根本的な考え方はコヴィー博士が独自に生み出したものではありません。それどころか、人格主義の主張は何百年も昔から積み上げられてきたもので、古くから信じられている成功法則なのです。

コヴィー博士が人格主義の考えに至ったのは、取り組んでいたひとつの研究がきっかけでした。それは、1776年のアメリカ建国以来、国内で出版された「成功」に関するすべての文献を調査するというものです。

コビー博士は、自己啓発や心理学、あるいは自助努力、テクニック論などの分野で、あらゆる書籍・論文・記事などに目を通してその中身を調べたと言います。そんな研究の中で、コヴィー博士はある事実に気付きます。

第一次世界大戦以後の50年に出版された書籍は「コミュニケーションスキル」や「ポジティブ・シンキング」など表面的なものを扱ったものばかりである一方で、建国から150年間の間に書かれた文献は誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、節制、黄金律などといった「人間の内面的なこと」「人格に関すること」を成功の条件に挙げていたのです。

そこでコヴィー博士は、近年のテクニック論などによるアプローチを「個性主義」、逆に人格形成のアプローチを「人格主義」と名付けて、「人格主義の復活」を目指して『7つの習慣』の執筆に取り掛かったのです。

持続的な「真の成功」を目指すには「人格主義」が不可欠!

人格主義の考えは、あまりにも古典的かつ普遍的すぎて、現実ではあまり役に立たないだろうと思う人も多いかも知れません。実際問題、現代社会において活躍している人たちは高い能力や専門的なスキルを持っているうえに「人と違った優れた戦略」で成功者のポジションを築き上げているように思えます。本当に人格主義は現代でも役に立つのでしょうか?

インターネットやSNSが普及して誰でも簡単に情報が手に入るようになり、また誰もが発信者になりました。実のところ、そんな現代だからこそ人格主義の重要性が高まっているのです!

コヴィー博士が述べる通り、現代はテクニック論やノウハウの情報に溢れています。そしてスピードを増す時代変化についていこうと、誰もが最新情報に目を張っているような状態です。そんな環境の中で表面上のテクニックで争おうとすればラットレースに巻き込まれてしまい、その中で勝ち続けるのは困難です。

また、熾烈な環境下で注目を集めようと不正やマナー違反に手を染める人も多くなり、テクニック論の流行に飽き飽きしている人も年々増えています。つまり、透明性や信頼性の価値が高まっているのです!

さらには、それと同時に近年では「SDGs」や「ジェンダー問題」など、社会問題への関心が高まっています。ビジネスシーンでも

  • パーパス経営
  • ナラティブ(共創)
  • ソーシャル・マーケティング

など、「社会的価値」が重視される動きが進んでいます。

そんな令和の現代。目を惹く広告やセールストーク、心理学のテクニックなどで「うまいこと儲けるビジネス」は「過去のもの」になりつつあるのです!

その代わりに、消費者や社会に対して「誠実」な態度で臨み、「社会に価値をもたらす仕事」を「正義感」持って行う会社や個人の評価が高まっています。このように、時代は「脱・個性主義」と「人格主義の復活」へと動いているのです。

久保真介
久保真介
先行き不透明で変化の激しい現代です。だからこそ基礎を見つめ直し、豊かで成熟したマインドを手にすることが重要ですね。

人格を磨けばビジネスも人間関係もうまくいく!── 原則の持つ力とは?

人格主義を基礎としたコヴィー博士の教えでは、成功とは単に「ビジネスを軌道に乗せること」や「お金持ちになること」を意味するわけではありません。そのような社会的成功はもちろんとして、心の平穏や充実を実感する毎日、あるいは家族や友人、隣人との人間関係なども含めた「人生の成功」を目指しているのです。

“人格主義が説いているのは、実りのある人生には、それを支える基本的な原則があり、それらの原則を体得し、自分自身の人格に取り入れ内面化させて初めて、真の成功、永続的な幸福を得られるということである。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復 』(キングベアー出版, 2013年)p.009より

人格主義の考えを身に着け、それに伴った行動ができれば、ビジネスも人間関係もうまくいく、つまりは人生を成功に導くことができます。そして、「人格主義を身につける方法」がまさに、本のタイトルにもなっている「7つの習慣」なのです!

「7つの習慣」は人格を成長させ、成功に導く本質的な方法論!

「7つの習慣」は自分自身を成長させ、人格の土台を作り、自分の能力を高めていくことを目的としたものです。次の7つです。

  • 第1の習慣:主体的である(旧訳「主体性を発揮する」)
  • 第2の習慣:終わりを思い描くことから始める(旧訳「目的を持って始める」)
  • 第3の習慣:最優先事項を優先する(旧訳「重要事項を優先する」)
  • 第4の習慣:Win-Winを考える
  • 第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される(旧訳「理解してから理解される」)
  • 第6の習慣:シナジーを創り出す(旧訳「相乗効果を発揮する」)
  • 第7の習慣:刃を磨く

第1から3の習慣は、自分の人格を磨いて「私的成功」を掴む、言い換えれば「自立」するための習慣です。根本的な考え方や時間管理の方法などが説かれています。

第4から6の習慣では、磨き上げた人格で他人との相互作用を生み出し「公的成功」を目指します。言い換えれば、「自立」の先にある「相互依存」の状態に達するための習慣と言えます。

最後の第7の習慣は「最新再生」の習慣です。今まで身につけた第1から第6の習慣の理解度を深め、自己研鑽に励み、更なる人格の高みを目指し続けます。

どの習慣も実践には努力を要しますが、確かな効果があります。「7つの習慣」を体得すれば、人生が大きく好転するでしょう。

久保真介
久保真介
以下の記事では、『7つの習慣』の大事なエッセンスを丸ごと要約しています。ぜひチェックしてみてください!(※ 近日公開)

【まとめ】人格主義の原則に従って、ビジネスでも人生でも成功をつかもう!

コヴィー博士が『7つの習慣』の中で唱えた「人格主義」は、現代の「テクニック至上主義(個性主義)」に異論を唱え、優れた人格形成の大切さを世に問い直しました。初版の発売から20年以上のときが経った令和の現代でもその価値は薄れることはなく、それどころかさらに重要性を増しています。まさに、人格主義の時代へと世の中が再び動き出していると言えるでしょう。

まずはひとりの「自立」した人格を手に入れ、そのうえで他者と関われば、お互いの効果性を最大限発揮して、より大きな成果を生み出せます。

「結局、最後は人」という言葉があるように、ビジネスはひとりでは成り立ちません。誰かと一緒に仕事をするとき、人柄の善さはビジネスのさまざまな場面で自他ともに恩恵をもたらします。そう思えば、「人格主義」がどれだけ的を得た考え方かわかるはずです。

「人格主義」の有効性は、ビジネスだけでなく人間関係や人生全般にも当てはまります。コヴィー博士の『7つの習慣』を読んで、実践していくことで真の成功を手に入れましょう!

久保真介
久保真介
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サロン経営を猛烈な赤字でスタート。マーケティングを駆使しながら圧倒的な黒字化の仕組みを構築。サロン経営者にコンテンツセールスやコンサルをスタート。3年で複業月収8桁を達成。600名以上が登録する無料オンラインサロン(MAKE TIME)や、”ロイヤル顧客リピートで満席の仕組み”を構築できる完結型コンテンツを無料で提供。コンサルタントとして50件以上のサリンを年商800万~3000万以上UPさせた実績を持つ。現在では、サロン経営の仕組み化や、複業のサポートコンサルを継続中。

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