「関心の輪・影響の輪」とは、フランクリン・R・コヴィー博士の世界的ベストセラー『7つの習慣』の中で提唱された概念です。
【ポイント】
「関心の輪」とは、普段の生活の中で起こるさまざまな出来事の中で、興味があったり気がかりだったりするあらゆるものの集合です。関心の輪には、
- 明日の天気や芸能人のゴシップ、好きなアニメの展開などといった「日常的な興味・関心」
- 政治、株価、環境問題などといった「規模の大きな話題」
- 仕事やキャリア、身の回りの人間関係などといった「自分にとって重要なこと」
までさまざまなことが含まれます。そして、関心の輪の中でも自分の影響力を使ってコントロールできるものだけを集めた集合が「影響の輪」です。
コヴィー博士は、人生を成功させるためには「関心の輪」ではなく「影響の輪」に時間やエネルギーを集中させることが大切だと述べています。
自分の力ではコントロールできないものに関心を寄せていると、他人や環境への不満やストレスばかりが溜まっていき、主体性が失われてしまいます。そのような生き方に決別して、自分の力が及ぶ「影響の輪」に注力し、その輪を少しずつでも広げていくことでのみ自分の人生を切り開くことができるというのが「第1の習慣」の本質なのです!
今回の記事では、「影響の輪」に集中することの意義やそのための具体的方法論、そしてコヴィー博士が語る「主体的な生き方」について解説していきます。
(参考)【要約】『7つの習慣』をわかりやすく解説!── 人生の成功を手にするための考え方とは?(※ 近日公開)
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「影響の輪」「関心の輪」とは? ──『7つの習慣』でコヴィー博士が説く「主体的に生きるためのポイント」
「関心の輪・影響の輪」は「第1の習慣 主体的である」の中で登場したフレーズであり、第1の習慣を語るには外せない重要キーワードとなっています。
「関心の輪(Circle of Concern)」とは、身の回りに起こるさまざまな出来事のなかで、自分にとって興味や関心があったり、気がかりだったりすることの集合のことです。さらにその中で、自身が自分の影響力を行使できるものを集めた集合が「影響の輪(Circle of Influence)」です。
基本的に、上図の通り「影響の輪」は「関心の輪」の内側にあります。興味・関心を寄せるさまざまな事柄の中で、その中の一部のことだけに自分の影響力を及ぼせるということです。
【ポイント】主体性がなく、いつも他人や環境などといった「外部の物事」に依存してばかりの「反応的な人」は、関心の輪ばかりに意識を向けがちです。その一方で、「主体的な人」は影響の輪に集中するという特徴があります。
主体的な人は、自分の影響力が行使できる範囲に集中しているので、行動がビジネスの成果や良質な人間関係の構築などといった「結果」に繋がり、「影響の輪」が大きくなります。また、自分の影響力を使って物事を達成する方が「関心の輪」の範囲で右往左往しているよりもやりがいがあって面白いことを知っており、余計なことに興味・関心を向ける必要性もそんな時間もなくなってしまうため、「関心の輪」は小さくなっていきます。
一方、反応的な人は他人や環境など自分がコントロールできないことばかりに関心が向いてしまうため「関心の輪」が大きくなっていきます。すると次第に人のせいにする態度や被害者意識が強くなってしまい、「影響の輪」が小さくなっていくのです。
関心の輪にばかり目を向ける「反応的な生き方」では成功できない
関心の輪に留まっている限り、その中にある物事に支配されており「反応的な生き方」となってしまいます。コヴィー博士は次のように語っています。
“反応的な人が労力をかけるのは影響の輪の外である。他者の弱み、周りの環境の問題点、自分にはどうにもできない状況に関心が向く。こうした事柄ばかりに意識を集中していると、人のせいにする態度、反応的な言葉、被害者意識が強くなっていく。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.097より
自分がコントロールが効かないことばかりに関心を向けていると悩みやストレスが溜まってしまい、良いパフォーマンスを発揮できなくなってしまいます。このような負の循環を発生させないためにも、自分の影響力が及ばないことに対しては「仕方ない」「どうでもいい」と割り切るマインドセットが重要です。
影響の輪に集中することで「主体的な生き方」になっていく
自分の影響力が及ぶ「影響の輪」の範囲に目を向け、その中で思考・行動していると、「自分では何ができるだろう」といった「主体的な態度」が身についてきます。こうなると「率先した発言・行動」が自然とできるようになり、主体性が育っていくのです。
このような「主体的な生き方」は前向きな態度・行動を生むため、次第に「影響の輪」が広がっていきます。コヴィー博士は、影響の輪を大きくしていくことは自分の効果性を高め、仕事や人生を好転させていく力があると述べています。
“主体的な人は、影響の輪の領域に労力をかけている。自分が影響を及ぼせる物事に働きかける。主体的な人のエネルギーには、影響の輪を押し広げていくポジティブな作用があるのだ。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.097より
すべての問題は「影響の輪」の中で解決できる ── 強い人格を育てる方法
生きている限り、日々新たな問題にぶつかり悩みやストレスが生まれるものです。そんな日常の中で、影響の輪の中にある物事のみに取り組むことが自身を解決に導き、安定したメンタルを持つ強い人格を育んでくれます。
なぜなら、問題を解決するには、自分が直接コントロールできること、つまり影響の輪の中にあることに働きかけるしかないからです。
問題には3つの種類がある
「影響の輪」に集中すると、身の回りで日々起こっているあらゆる問題にうまく対処できるようになります。そもそもですが、すべての問題は、3つの分類に分けることができます。
- 直接的にコントロールできる問題(自分の行動に関わる問題)
- 間接的にコントロールできる問題(他人の行動に関わる問題)
- コントロールできない問題(過去や天候など、動かせない問題)
どの問題に対しても、影響の輪の中で主体性を発揮すれば、適切に対処することができます。順番に解説しましょう。
「直接的にコントロールできる問題」は「習慣を変える」ことで解決できる
まず一つ目は、「直接的にコントロールできる問題」です。コヴィー博士は、以下のように語っています。
自分が直接的にコントロールできる問題は、習慣を改めれば解決できる。これは明らかに自分の影響の輪の中にある問題であり、これらの問題を解決できれば、第1、第2、第3の習慣の「私的成功」に関わることができる。
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.100より
たとえば、ダイエットしようと思い立ったとしましょう。痩せるためには、普段の食生活や運動習慣を見直す必要がありますよね。それさえわかれば「ヘルシーな食生活にする」「1日1万歩歩く」というような対策方法が考えられ、これは自らの主体性だけで取り組めるものです。
「間接的にコントロールできる問題」は「影響の輪を広げる」ことで解決できる
次は、「間接的にコントロールできる問題」です。こちらは、自分の影響力を行使すれば解決できます。たとえば、子どもが学校での人間関係に悩んで不登校になってしまっている、同僚のAさんとBさんの仲が険悪で、職場の雰囲気が悪いなどです。どちらも簡単な問題ではありませんが、自身の人格を磨き、子どもとの向き合い方や職場での態度・言動を変えることで子どもや同僚に影響を与え、問題を解決に導ける可能性があります。
このような問題に取り組むためには、「人格」を磨き、「主体性」を高め、自身の「影響力の輪」を広げていくことが大切です。日々の態度や行動によって周りの人からの信頼を勝ち得ることで、影響力が強まっていくのです。
“間接的にコントロールできる問題は、影響を及ぼす方法を考えることで解決できる。こちらのほうは、第4、第5、第6の習慣の「公的成功」に結びつく。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.100より
「コントロールできない問題」には「自分の態度を改める」ことで対処する
最後に、「コントロールできない問題」は、自分の過去や歴史、環境問題などといったどんな力を使っても変えることができないものです。それらの問題には、自分の態度を改めることで対処するしかありません。
何か嫌なことがあり傷ついたとしても、エレノア・ルーズベルト大統領夫人の「あなたの許可なくして、誰もあなたを傷つけることはできない」という言葉があるように、不幸になることも幸福な気持ちでいることも、自ら選択することができます。要は、自分の考え方次第なのです!
他人や落ち込む自分が悪いのではなく、ただどんな反応を示したのかということだけ。自らの主体性で対応できることなのです!
“自分ではコントロールできない問題の場合には、その問題に対する態度を根本的に改める必要がある。どんなに気に入らなくとも、自分の力ではどうにもできない問題なら、笑顔をつくり、穏やかな気持ちでそれらを受け入れて生きるすべを身につける。こうすれば、そのような問題に振り回されることはなくなる。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.100より
『7つの習慣』の中から、素晴らしい言葉を紹介しましょう。
“主よ、私に与えたまえ。変えるべきことを変える勇気を、変えられないことを受け入れる心の平和を、そしてこれら二つを見分ける賢さを。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.101より
このように、自分の身の回りに起こる問題はどれに属するのかさえ見極められれば、どんな問題でも自分の「影響の輪」の中で対処できるようになります。常に自分の「影響の輪」に集中していくことが大切なのです!
「影響の輪」を広げることは、「人格」を磨いて自分の効果性を高めること ── 影響の輪にフォーカスすることの本質
自分次第でコントロールできる「影響の輪」を広げることは「人格を磨くこと」に等しく、ひとりの人間として成長するための過程です。日々の課題や問題を影響の輪において取り組むことは、周りに影響されず自分の行動に責任を持る「自立した生き方」の体現といえます。
影響の輪を大きくして成長をしていくために大事なことは、影響の輪の最も中心にある「決意して約束を守る能力」を磨くことです。
【ポイント】
どんなに小さなことでもいいから自分自身や他人と約束をして、それに対して誠実な態度をとる。これこそ主体性の本質であり、自身の意志力や誠実さなどといった「人格」を育てる最良の方法です。
「自覚・良心・想像・意志」の力を使って「約束」をして、それを守る。目標を立て、「スキル・知識・意欲」を使って達成の努力をする。それが「誠実さ・自制心・勇気・強さ・自尊心」を育み、主体性を高め、影響の輪を広げていくのです!
このような原則を自分の「パラダイム(=ものの見方、捉え方)」に落とし込むことで、自分の効果性を発揮し活躍できるひとりの「自立」した人間になることができます。そしてさらには、その先にある「相互依存」のパラダイムにまで繋がっていきます。
影響の輪を広げることで、バランスが取れた効果的な生き方ができるようになるのです。
関心の輪に集中していると、影響の輪は小さくなっていく
主体的な生き方とは反対に、自分ではコントロールできない他人の考えや環境などの外部からの刺激や情報にばかり反応していると関心の輪が大きくなるとともに、内側の影響の輪はどんどん小さくなってしまいます。
影響の輪が小さくなることで、日々の出来事に対してもより反応性が高まり、自己コントロール感を失ってしまいます。すると、被害者意識が強くなったり、起きていることすべてを他人のせいにしたりするように…。
“関心の輪の中にとどまっている限り、私たちはその中にある物事に支配される。ポジティブな変化を起こすために必要な主体的な率先力を発揮することはできない。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.098より
関心の輪に集中していると、どんどんネガティブなエネルギーが増えてしまいます。悩みやストレスがある時には、その原因が関心の輪にあるからではないのかと考える癖をつけることも大切ですね。
人格を磨き、信頼貯金を貯めることで影響の輪が広がっていく
ビジネスでも人間関係でも、良い結果を呼び込むのは常にポジティブなエネルギーです。前向きな姿勢で物事に取り組んでいれば、「最近よくがんばっているな」「この人はなんだか信頼できるな」といった具合で、案外誰かは見てくれているものです。優れた人格は前向きな人たちを呼び込み、建設的なコミュニティを形成するのです!
誠実さをもって仕事に取り組んだり人間関係を保ったりすることで、信頼を蓄積することができます。これをコヴィー博士は「信頼貯金(信頼残高)」と呼んでおり、ビジネスにおいても人間関係においても非常に重要なものです。
信頼貯金を貯めることで、良好な関係や心地よいコミュニケーションを取れるのはもちろんですが、失敗してしまったときの保険にもなります。普段から信頼を蓄積していれば、たとえ大きな失敗をしてしまったとしても、「一度や二度の失敗なら、今回は多めにみて今後に期待しよう」と思ってくれる人が周りにいるはずです。このように、信頼貯金が貯まっていると、ミスを補うこともできてしまうのです。
このように、人格を磨くことで、本来コントロールできない他人すらも結果として自分にとって効果的に作用するのです。
【注意!!】「関心の輪 < 影響の輪」は権力に溺れ自己中心的になっている証!
影響の輪を広げることが大切だと伝えましたが、1つ注意点があります。実は、影響の輪は大きければ大きいほど良いという訳ではないのです!
【ポイント】
自分がコントロールできることにだけ集中する主体的な生き方と、ただ自分がやりたいことしかやらないという自己中心さは、似ているようで全く異なります。
謙虚さや誠実さをもって影響の輪に集中することは、周囲からの信頼を獲得し、相互作用でさらに高みを目指すことができます。しかし、自己中心的な態度は、周囲からの評価は下がり、信頼貯金は減る一方。さらに、自己中心的な態度から周囲と敵対しやすく、自分に不利益を被るような事態が発生する可能性すらあるのです。
決して、自分勝手な思いだけで影響の輪を広げようとしてはいけません。時折、自分の目的を達成するために、周囲を顧みずにいる人がいますが、結局自滅してしまうんですよね。他人への思いやりや誠実さといった、人格を磨くことを忘れないようにしたいものです。
人格を磨くにはどうすればいいの? ── 真の成功を手にする「7つの習慣」
成功者のバイブルとも呼ばれる『7つの習慣』では、タイトルの通り「7つの習慣」を通して人格を磨く方法、つまりは人生の成功を掴む方法を解説しています。7つの習慣を日々実践していくことで、時間はかかりますが、成功するために必要不可欠な人格を磨く方法を体得することできます。
それでは、自立した人格を手に入れるための方法について具体的に説明をしていきます。
① インサイド・アウトのパラダイムを理解する
インサイド・アウトとは、外部からの刺激にすぐ反応するのではなく、自分の人格やモノの見方といった内部に目を向けていこうという考え方です。
インサイド・アウトは、「7つの習慣」を実践する前の基本的かつ重要な概念であるため、著書の中でも、第一の習慣の前に解説されている前提条件です。
“問題は自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である。そのような考え方は、自分の外にあるものに支配されるのを許していることだ。だから、変化のパラダイムは「アウトサイド・イン(外から内へ)」になる。自分が変わるためには、まず外にあるものが変わらなければならないと考えるのだ。
それに対して主体的な人の変化のパラダイムは、「インサイド・アウト(内から外へ)」である。自分自身が変わる、自分の内面にあるものを変えることで、外にあるものを良くしていくという考え方だ。主体的な人は、もっと才能豊かになれる、もっと勤勉になれる、もっとクリエイティブになれる、もっと人に対して協力的になれる、というように考える。”
── スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年)p.106より(※黄色の下線は本メディアによる編集)
インサイド・アウトの考え方とは、まさに「関心の輪」ではなく「影響の輪」に集中するということです。まずはこのインサイド・アウトの考え方を理解し、「これまでの自分は主体的に生きてなかった!」と気づくことが人生を変える出発点になります。
② 私的成功を掴む(第1〜第3の習慣)
コヴィー博士が説く「7つの習慣」の最初の3つは私的成功、つまり自分自身の効果性を高め、「自立」するための方法論を示しています。
第1の習慣「主体的である」は、まさにこの記事で解説したことです。影響の輪に集中し、主体的に生きることの重要性と、その方法を解説しています。
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」では、目的やゴールを設定して行動をすることの重要性を説きます。自分が心の底からやりたいと思うことを見つけ実行するために効果的な「ミッションステートメント」の作成の仕方を学べます。
第3の習慣「最優先事項を優先する」は、第2の習慣で作り上げたミッションステートメントを実行するためのマネジメントの側面を学びます。特に、時間管理のマトリックスを使ってやるべきことを仕分けし、「重要度が高く、緊急度が低い」事柄にフォーカスする時間を増やすことで、成功に大きく近づきます。
(参考)『7つの習慣』徹底解説③ ──「第3の習慣 最優先事項を優先する(重要事項を優先する)」とは?(※ 近日公開)
これら3つの習慣を順番にマスターしていくことで、
- 自分の「影響の輪」のみに集中し、(第1の習慣)
- 自分自身が持つ根本的な価値観を知って、向かっていくべきゴールが明確になり、(第2の習慣)
- 自分の効果性を最大化する時間の使い方ができる(第3の習慣)
ようになり、その結果として「自立」した人間へと成長できるのです。
③ 公的成功を達成する(第4〜第6の習慣)
第1〜3の習慣で私的成功を達成した次は、他者と協力してより高い結果を生み出す「公的成功」にフォーカスしていきます。
第4の習慣「Win-Winを考える」は、争うのではなくお互いの利益を得ようとする考え方と姿勢を説いています。Win-Winを成り立たせるためには、豊かな人格をベースに、問題解決に取り組むマネジメント能力が必要になるため、他者からの「信頼貯金(信頼残高)」が、重要になってきます。
(参考)『7つの習慣』徹底解説④ ──「第4の習慣 WIN-WINを考える」とは?(※ 近日公開)
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」では、Win-Winの関係を築くために必要不可欠なコミュニケーションスキルを学びます。自分の過去や経験に基づいて判断するのではなく、まずは相手を徹底的に理解することに務める「共感による傾聴」を取得するための方法論が述べられています。
(参考)『7つの習慣』徹底解説⑤ ──「第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される(理解し理解される)」とは?(※ 近日公開)
そして第6の習慣「シナジーを作り出す」は、第4〜5の習慣で積み上げた、信頼貯金や共感力の高い姿勢を持ってして、他人と協力し一人では成しえない相互作用を生み出します。シナジーの本質は、「お互いの違いを尊重すること」。そのためには、お互いが自立していることが必須となってくるので、今までの習慣なくしてはシナジーを作り出すことはできないのです。
(参考)『7つの習慣』徹底解説⑥ ──「第6の習慣 シナジーを作り出す(相乗効果を生み出す)」とは?(※ 近日公開)
これら3つの習慣をマスターすることで、
- お互いの利益を達成しようとするWin-Winの関係を目指すなかで「信頼貯金」を貯め、(第4の習慣)
- Win-Winの関係を築くために、相手の理解に徹し、(第5の習慣)
- 高い信頼関係を持って、シナジーを作り出す(第6の習慣)
という姿勢が身につきます。自分と他人の力を合わせることによって、一人では成しえない大きな成果をあげることができるのです。
④ 刃を磨き続ける
最後の第7の習慣「刃を研ぎ続ける」は、公私両方の成功を手にしたうえでもさらに自分自身を高める「最新再生」のステージです。特に、「肉体・精神・知性・情緒」の4側面を磨いていきます。
- 肉体的側面:健康を保つために、定期的な運動やバランスの取れた食事を心がける
- 精神的側面:自分の価値観や人生の目的を見失わないこと
- 知的側面:新しい分野の勉強をしたり読書したりすることで、常に知性を磨く
- 情緒的側面:よい人間関係を保てるように努力し、「信頼貯金(信頼残高)」を貯める
これら4つの側面のメンテナンスを継続して行うことで、人格を高めていき、結果として更なる人生の成功をもたらします。
(参考)『7つの習慣』徹底解説⑦ ──「第7の習慣 刃を磨く」とは?(※ 近日公開)
【まとめ】影響の輪にフォーカスして、主体的で強く安定した生き方を手に入れよう!
自分がコントロールできる「影響の輪」に集中することで、他者や環境に左右されることなく、自分で考えて行動する「主体的な生き方」を手に入れられます。
日々頭を抱える問題や取り組むべき課題は、すべて「影響の輪」の中で考えることで解決できます。自分がコントロールできないことに時間や労力を使うのではなく、影響力が行使できるところに集中して生産性をアップさせましょう。
そして、影響の輪を広げるというのは、自分の人格を高めるということ。自分が決めた目標を達成することで意志の力や自尊心、主体性が高まります。また、他者との約束を守ることで「信頼貯金(信頼残高)」が貯待っていき、影響の輪をさらに広げ人格も高まるという、プラスのスパイラルが起こります。
自分の人生をコントロールできるのは、自分だけ。ビジネス書のベストセラー『7つの習慣』は、影響の輪にフォーカスして主体性を持って生きるという「第一の習慣」から始まり、一人の個人としての人格を磨いたうえで、他者との相互作用を生み出して、成功を手に入れる方法論を解説しています。ぜひ一度読んでみてください!
(参考)【要約】『7つの習慣』をわかりやすく解説!── 人生の成功を手にするための考え方とは?(※ 近日公開)
【参考資料】
- スティーブン・R・コヴィー 著『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』(キングベアー出版, 2013年 ※原著1996年)
- スティーブン・R・コヴィー 著『7つの習慣 成功には原則があった!』(キングベアー出版, 1996年)
- 中田敦彦のYouTube大学「【7つの習慣①】序章!」
- 中田敦彦のYouTube大学「【7つの習慣②】主体的である・終わりから思い描く」
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