マーケティングでよく耳にする用語「RTB」とは、「Reason To Believe」の略で「信じるに足る理由」を意味します。
【ポイント】マーケティングでは、顧客に商品・サービスの価値やメリットを伝えるだけではなく、それが信じるに値するという根拠(=RTB)を示すことが大切です。RTBに納得することで顧客は商品の良さを信頼できるようになり、購入の決め手になるのです。
このRTB(Reason To Believe)という用語は、USJ再建で知られる盛岡毅さんなどのP&G出身のマーケターたちがよく使用しています。マーケティングに強い企業として有名なP&Gにおいて、なぜRTBが重要視されているのでしょうか。また、RTBはマーケティング施策の中でどのように活用されているのでしょうか。そんなRTBに関する疑問に応えていきます。
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最大手美容室チェーンで売上.指名共に1位を獲得し独立するものの猛烈な赤字でスタート。マーケティングを学び駆使した後、圧倒的な黒字化の仕組みを構築。サロン経営者にコンテンツセールスやコンサルをスタート。3年で複業月収8桁を達成。600名以上が登録する無料オンラインサロン(MAKE TIME)や、”ロイヤル顧客リピートで満席の仕組み”を構築できる実践型のオンラインサロンを運営。コンサルタントとして50件以上のサロンを年商800万~3000万以上UPさせた実績を持つ。現在ではサロンのロイヤルリピート経営の仕組み化や、複業のサポートコンサルを継続中。
RTB(Reason To Believe)とは顧客にとっての「信じられる理由」
RTB(Reason To Believe)とは直訳すると「信じるに足る理由」を意味します。顧客がその商品・サービスを購入することによって得られる本質的価値(≒ベネフィット)の「根拠」や「裏付け」となるもので、消費者に「信頼感」や「納得感」を与えます。
たとえば、リポビタミンD は「タウリン1000mg配合」と謳うことで、わたしたち消費者に「元気になる”根拠”」を与えています。そのイメージが元となって「疲れたときは、リポDでも飲もうかな!」という購買意欲につながっているのです。
RTBはマーケティング施策全体の「根拠」となるものです。それ以外にも、「口コミ」を呼ぶ一因になったり、他社との「差別化ポイント」をアピールできたり、さらには「顧客が商品を買う理由=KBF(Key Buying Factor)」にも直結するものなのです。
RTB(Reason To Believe)= 信じるに足る理由。顧客がその商品・サービスを購入することによって得られるベネフィットの「根拠・裏付け」となる。
【チェック】「RTB = リアルタイム入札(Real-Time Bidding)」とするマーケターも多い
マーケティング担当者の中には、「RTB」といえば「リアルタイム入札(Real-Time Bidding)」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。インターネット広告をメインに活動されている方であれば、おなじみの業界用語かと思います。
リアルタイム入札(Real-Time Bidding)とは、オンライン広告の仕組みのことです。消費者があるWebサイトを訪れた際に、そのWebサイト内に「広告」が表示されることがありますよね。この広告枠にどのコンテンツを表示させるか、実はWebサイトの裏側で「RTB」という仕組みを活用し、広告枠のオークションがリアルタイムに・自動的に行われているのです。
オンライン広告を制作・運用して、そのクリック率やコンバージョン率の向上を常日頃考えているようなWebマーケティング寄りのマーケターさんの場合、RTBといえば「リアルタイム入札」になるはずです。
逆に、事業ドメイン設定やSTP、4P、ブランディングなどといった、経営戦略・事業戦略と直結するようなファンダメンタルなマーケティングを扱っているマーケターさんの場合、RTBといえばReason To Believeと考える人が多いです。
今回の記事では、RTBはReason To Believeのことを指しますので、混同しないように注意してくださいね。
マーケティング・ブランディング施策でRTBが重要な理由

Reason To Believe(RTB, 信じるに足る理由)は、マーケティングやブランディングの施策を考えるうえでの基本中の基本のひとつと言えるものです。なぜなら、人が何かの商品やサービスにお金を払うのはそれ自体が欲しいからではなく、「その商品を買えば、求めているベネフィットが得られるはず」だと感じているからであり、それを支えているのがこのRTBだからです!
顧客は「商品」ではなく「価値(ベネフィット)」を買っている
そもそも、顧客がお金を払って何らかの商品やサービスを購入するのは、その商品・サービスから何らかの「ベネフィット(便益・価値)」を受け取っているからです。
ビジネスやマーケティングにおいて「ベネフィット」とは、”顧客が商品やサービスを利用することによって受けるプラスの体験”を意味しています。
たとえば、少しお高い高機能ドライヤーを買う理由は何でしょうか。「性能が良いから」「デザインがかっこいいから」でしょうか。実は、本当に顧客が望んでいることは違います。性能がいいドライヤーを買うことで、「きれいな髪を保ちたい」「髪を乾かす時間を短縮したい」などといった「機能的ベネフィット」であったり、「毎日のドライヤーの時間が楽しくなる」「所有欲を満たしたい」などといった「情緒的ベネフィット」を求めているのです。(→詳細 : ベネフィットとは?)
商品にベネフィットがあると信頼して購入する決め手になるのがRTB
このように、ビジネスやマーケティングにおいてその商品・サービスの「ベネフィット」を訴求することは、非常に重要な要素です。企業は商品やサービスが持つベネフィットを、広告等で顧客にうまく伝える必要があるのです。
しかし、それだけでは商品を”購入する決め手”にまで発展しないケースもあるでしょう。近年では企業努力によって、商品の機能面の差がつきにくくなっていることがほとんどです。そんなとき、顧客は何を”根拠”にして、そのベネフィットや他社との優位性を信じるのでしょうか。
【ポイント】そこで活用するのが「RTB」です。RTBをうまく提示すれば、消費者に「信頼感」や「納得感」を与えることができ、購入を決めるための大きな”後押し”になります。逆にいえば、納得できるRTBがなければ、顧客はその商品・サービスを購入してくれないともいえます。「RTB」は顧客の意思決定を左右する重要な要素なのです。
大手企業の商品から見るRTBの具体例

RTBは、私たちの身の回りでもあらゆるところで活用されています。商品のパッケージや広告を見てみると、多くの企業がベネフィットとともにRTBを伝えようとしていることがわかるはずです。たとえば、次のようなものもRTBの一例です。
- 業界No.1(客観的事実)
- 導入事例 / 利用者の声 / 口コミ
- 〇〇の秘訣 / 〇〇の秘密 / 〇〇の理由
このように、自社サイドからの説明だけではなく「客観的事実」や「利用者の声」なども納得感の高いRTBになります。具体的にはどのようにRTBが利用されているのか、2つの有名企業のWebサイトを例に取り上げてみましょう。
【RTBの事例①】多くの企業が示す「業界No.1訴求」や「利用者の声」
様々な企業が、広告やWebサイトで「業界No.1」という事実や「利用者の声(導入事例)」などを示しているのをみたことがあるかと思います。これらは、商品・サービスの信頼性を高めるRTBの代表例です。たとえば、ビジネスチャットサービス「Chatwork」のWebサイトトップページを見てみましょう。
「Chatwork」は、中小企業向けのビジネスチャットを提供している会社です。トップページには大きく「国内利用者数 No.1」の文字が記載されており、その下では様々な有名企業が同社のサービスを利用していることもアピールしています。
このように顧客に選ばれている・実績のあるサービスだということを客観的事実として示すことで、商品・サービスや、そのベネフィットに対する説得力が高まり、最終的な購入の決め手にもつながっていくのです。
また、さらに下までスクロールしてみると、「Chatworkが選ばれる理由」というまさにRTBそのものの項目を用意して、顧客にわかりやすく説明していることにも気づきます。
このように、企業はさまざまな方法で顧客にRTBを示し、商品の良さや信頼性を伝えようとしているのです。
【RTBの事例②】業務スーパーが示す「安さの秘密」
業務用サイズの調味料や大容量の冷凍食品などが安く手に入ると人気の「業務スーパー」では、Webサイトで「安さの秘密」を公開しています。
「安かろう悪かろう」なんて言葉もある通り、単に「安い」というだけではお客様に不信感を持たれてしまうこともあります。そこでこのページでは、業務用スーパーの”ベネフィット”である「美味しい」「安い」や「品揃えの良さ」を実現できている理由やその根拠、自社の強みなどを紹介し、信頼感や納得感の醸成につなげているのです。
「差別化された独自性のベネフィット」と「納得できるRTB」がマーケティングの鍵!

RTBをうまく提示することは、”差別化”の根拠にもなります。
- 他社の商品・サービスよりも優れているよ!
- 他社の商品・サービスとは違うんですよ!
という”差別化”は、マーケティングにおいて非常に重要な要素です。RTBを効果的に示すことで、他社にはできず、自社には実現できている”明確な根拠”を伝え、自社の優位性をアピールできるのです。
「POD分析(Point of X分析)」で競合優位な独自ポジションを見つけよう!
商品・サービスの”差別化”を考えるには「POD分析」が便利です。PODは「Point of Difference(ポイント・オブ・ディファレンス)」の略で、「差別化ポイント」と訳されます。
「POX分析」は、”POD”に加えて”POP”、”POF”の要素なども明らかにしながら、他社とは差別化された「独自のベネフィット」を効果的に探していくフレームワークです。
- POD(Point of Diffrence): 差別化ポイント ⇒ 選ばれる理由、競争優位の源泉
- POP(Point of Parity): 同質化ポイント ⇒ 最低限の必要条件
- POF(Point of Failure): 脱落ポイント ⇒ 他社製品が選ばれる理由(=他社製品のPOD)
他社と差別化したユニークな価値をつくり出し、RTBを使って効果的に顧客にアピールしていきしょう。
「USP = 独自価値の提案」と「RTB」で刺さるプロモーション戦略を仕掛けよう!
広告業界でよく使われる「USP(Unique Selling Proposition)とは、「顧客に対する独自の価値提案」を意味します。
広告や商品パッケージ、Webサイトなどによる「顧客コミュニケーション」、つまり「プロモーション戦略」を考える際にも、顧客に独自のベネフィットを提案するとともに、「納得できる根拠」を示すことが重要です。言い換えれば、プロモーションでは、USPやRTBをわかりやすく顧客に伝えることが求められるということです。
たとえば、飲食店の「俺のフレンチ・俺のイタリアン」や「いきなり!ステーキ」では、”高級メニューを他の店舗では実現できないような低価格で提供する”という、独自の価値を提案しています(=USP)。そして、このUSPは、”料理には妥協せず、その分顧客回転率を上げることで売上をカバーする”というRTBに支えられています。
USP | ”高級メニュー”を、他の店舗では実現できないような”低価格”で提供する |
---|---|
RTB | ・高級食材を使い、フード原価率は60〜70%を維持。ミシュラン星付き級の一流シェフを採用 ・顧客回転率を上げる (コース形式を撤廃、立ち食いスタイル、時間制限を設けるなど) |
繰り返しになりますが、プロモーションにおいても、USPやRTBをわかりやすく顧客に伝えることが重要です。こちらが提案するUSPの価値に顧客が賛同し、RTBに納得してもらえたなら、プロモーションは飛躍的に成功しやすくなるでしょう。
【まとめ】商品の売上を決めるのはベネフィット。RTBを吟味して顧客に商品の価値を伝えよう!

「信じるに足る理由」を意味する「RTB(Reason To Believe)」は、顧客に商品の価値(ベネフィット)を納得してもらう根拠となるものです。RTBは購買意志決定にも重要な影響を与えるため、どんなRTBを示せば顧客が納得してくれるのかを考え、適切に伝えていくことが肝心です。
現在のビジネス環境において、競合他社と戦っていくためには自社の商品・サービスの「ベネフィット」を効果的に伝えることが大前提です。そのための重要な手段のひとつがRTBを示すことというわけです。どのようにすればお客さまに「納得」「信頼」してもらえるかを考えることが、マーケティング施策の成功には欠かせないのです。
チラシでもWebページでもテレビCMでも、何かプロモーション施策をするときには自社商品の「ベネフィット」「RTB」「POD(USP)」を考えてみてください。これを知っておくだけでも、プロモーション施策の効果が変わってくるはずです。
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